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交通事故

自転車も走る凶器です

 ここのところ、検察官が「自転車に当たった当たっていない」の口論で暴行したり、弁護士が「自転車をつきとばしたり」という事件が続いています。

 法律家と自転車は相性が悪いのでしょうか。

 ということはさておき、自転車は、かなり「危険」な乗り物です。走る「凶器」といっても差し支えないかもしれません。

 自転車が歩道を走っていて、歩行者に重い傷害を負わせたという事件が、結構あります。
 現実に、自分が「ひやり」「はっと」させられるということもあります。
 自転車運転者には「非常識」な人が結構います。
 歩行者が、何かの理由で横に動いたり、ビルの入り口や喫茶店から出てくることは「全くの」「想定外」であるかのようなスピードで走る人がいます。自転車で走りながら携帯電話で通話しているという「器用」な人も結構います。
 見た目で判断しては申しわけないのですが、寸暇を惜しむようなビジネスマン・ビジネスウーマンならともかく、思わず「そんなに、あんたの時給高かないでぇ」と「つっこみ」たくなる人が大多数です。

 甘く見ているかも知れませんが、自転車で歩行者を死亡させたり、自転車で歩行者を植物人間にするという事故はあります。
 自転車は、自動車と違って、1つの事故で複数の被害者に傷害を与えるということはあまりありありません。
 被害者が1人なら、死亡事故で「億」まではいきませんが、たとえ1人でも、植物人間など一生介護が必要な状態にしてしまえば「億」はこえます。

 賠償責任保険に入っておられるでしょうか。
 私の場合どうだったかと調べてみると、1事故300万円という特約のついた損害保険に加入していました。
 自宅付近は「坂」が多いため、自転車は、ほとんど使いません。というか「使えません」。足腰が不自由になったときのことを考え、高台ではなく、駅まで平坦な土地を購入したのですが、一部、自転車を押して歩く区間があります。
 なお、大阪高騰・地方裁判所付近に事務所のある弁護士や法律事務所事務職員は、自転車利用という人が多いのですが(立派な弁護士会館の敷地に、駐輪している自転車が多いのは、ある意味「ミスマッチ」な光景です)、私は、あまり使わなくなりました。
 ただ、賠償額300万円では、万一の時、かなり不安といえば不安です。

 心当たりのある人は、自転車の賠償責任保険に加入したり、自動車の任意保険の特約をつけるなどして、「万一」に備えるのが賢明かと思います。
 加害者も「悲劇」ですが、損害賠償を受けられない被害者は、もっと「悲劇」です。

 ちなみに「自己破産したらいいや」と思っている人いませんか。
 破産法253条1項3号には「破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権」は「免責許可の決定が確定しても」「その責任を免れ」ないとなっています。
 死亡事故や、植物人間にさせるような事故は、通常「重大な過失」があるということになるでしょう。
 一生、大きな負債を背負っていくことになります。

 それでも、保険かけませんか?それでも、危険な運転しますか?

西野法律事務所
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