身近な法律問題
裁判所への出頭
訴訟慣れしている依頼者ならいいのですが、そうでない場合(圧倒的大多数です)、弁護士に依頼したとしても「自分自身が裁判所に行かなければならない」と思っておられる方が多いですね。
弁護士に依頼したら「原則として」裁判所に行く必要はありません。
そのために、弁護士に依頼するのです。
「原則として」裁判所に行く必要がないということは、「例外として」裁判所に行く必要がある場合があります。
1つ目は、本人尋問期日です。
法廷で、証言台で供述することになります。
まず、自分の依頼している弁護士からの主尋問、次に、相手方弁護士からの反対尋問、さらに、必要があれば、裁判官からの補充尋問がなされます。
急病などの理由もないのに出頭しない場合は、当然、裁判所が、自分に不利な心証をもつことになってしまいます。
また、通常、同じ日に、相手の本人や証人尋問が実施されますから、好き勝手なことを言わさないように、傍聴席で「無言の圧力」をかけたり、「嘘」をつかれた場合、弁護士に依頼して尋問してもらうことも可能ですから、「自分の番はすんだ」からといって帰ったり、「自分の番はまだだ」と言って遅く来るというのは「得策」ではないように思います。
2つ目は、和解期日です。
これは、弁護士だけでいいと裁判官が判断すれば、弁護士だけが行きますが、裁判官が「本人を同行してほしい」と判断した場合は、裁判所に一緒に来ていただくことになります。
これは、和解など「絶対嫌だ」という場合など断ることが可能ですが、場合によっては、弁護士の「面子」「丸つぶれ」ということになりますし、裁判官も「人の子」ですから、判決になると不利な結果になるかもしれません。
なお、離婚の成立予定の和解期日など、本人が行かなければならない場合もあります。
あと、自分で「行きたい」という人は、本人は、どの期日でも出頭できるのですが、よほどの「ヒマ人」でもない限り、あるいは、自分の依頼した弁護士が信頼できない場合でもない限り、通常は、弁護士に任せて、自分は行かないのが普通です。
弁護士さんによっては、本人がついてくるのは、自分が信用されていないような感じがするとおっしゃる方もおられますから、弁護士さんに確認されることをお勧めいたします。