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身近な法律問題

最寄りの銀行

例えば、差押えなどのために、ある人の銀行預金を調べようと思います。

 普通の人は、どこに銀行預金口座をもっているでしょうか。

 まず、ゆうちょ銀行だけは、口座を開いた郵便局を特定する必要はありません。全国の各貯金事務センターで十分です。
 しかし、銀行・信用金庫・信用組合・農協などは、金融機関名だけを特定しても差押えはできません。口座のある支店(本店営業部なども含む)を特定しなければならないのです。

 なお、土地建物やマンションに抵当権がついている銀行・支店などに口座はあるでしょうが、ローン債務があるので、相殺で差押えは奏功しません。

 通常、預金口座のある銀行は、自宅付近、自宅から最寄り駅の途中、勤務先付近、通勤途中のターミナル駅から勤務先の途中といわれます。

 私を例にとってみます。

 自宅付近、自宅から最寄り駅の途中の金融機関は、但馬銀行甲陽園支店、尼崎信用金庫上ケ原支店新甲陽出張所くらいです。

 私が現在の自宅で生まれ育っていれば、但馬銀行甲陽園支店、尼崎信用金庫上ケ原支店新甲陽出張所、そこらあたりが「狙い目」です。
 

 勤務先付近、通勤途中のターミナル駅から勤務先の途中を例に取ってみましょう。

 勤務先とその近辺をみると、私の事務所の入っているビルには、池田銀行堂島営業部があります。
 他に、東京三菱UFJ銀行大阪中央支店、三井住友銀行大阪本店営業部、みずほ銀行堂島支店、三菱UFJ信託銀行大阪支店が付近にあります。東京に一極集中する前は、本社だった銀行もあります。
  市役所が近いですから、大阪のビジネス街ど真ん中ですね。

 あと、ターミナル駅から勤務先の途中をみると、阪急梅田駅→徒歩にて事務所という通勤ルートで、阪急梅田駅から事務所までの徒歩ルートにある支店に口座がある可能性があるということになります。
 東京三菱UFJ銀行梅田支店、東京三菱UFJ銀行梅田新道支店、三井住友銀行梅田支店、みずほ銀行梅田支店、りそな銀行梅田支店、池田銀行梅田支店、三菱UFJ信託銀行梅田支店、住友信託銀行梅田支店、新生銀行梅田支店、東京スター銀行大阪支店、尼崎信用金庫大阪支店などがあります。

 そこらあたりが「狙い目」です。

 ということで、私個人に対し強制執行しようとするときは、以上の金融機関が「狙い目」ということになります。
 しらみつぶしにあたっていけば、通常、預金口座はあります。

 ただ、私の場合、これだけの中に、預金口座があるのは、たった2店舗だけです。その金融機関に全く口座がないこともありますが、別の支店に口座があるというのが多いですね。
 これは、10回以上も引っ越ししていること、勤務先も転勤などの関係で、8ヶ所もかわっているという、私自身の特殊性によるものです。いままでの住所、いままでの勤務先付近の預金口座を、ものもちよく、そのまま使い続けています。預金の預入れ、引出しはカードでできます。そのとき、クレジットカードや公共料金や税金関係の口座引落としに利用していたりすると、変更しようにも手続きが面倒ですから。

 もちろん、私が例外中の例外で、通常の人の場合は、これらでほとんど網羅されます。

 最近は、インターネット支店も多くなりました。各銀行のインターネット支店も候補となります。


 通常、そのようにして「隠し預金」をさがします。
 通常、弁護士会長からの「23条紹介」で、預金口座の有無を照会して、「口座なし」というところは省き、「口座あり」「回答拒否」をねらい打ちします。
 「回答拒否」は、通常「上得意」という可能性がありますが、個人情報保護という観点から拒否という金融機関もないではありません。
 
 なお、23照会は、1支店ごとに5300円必要ですから、むやみやたらに照会することは賢明ではありません。

西野法律事務所
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