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身近な法律問題

送りつけ商法-ネガティブオプション

注文もなく勝手に商品を送りつけ、請求書も送付してくるという業者がいます。
 ネガティブオプションといいます。

 もちろん、購入したいような商品なら、商品を購入して代金を振り込めばいいのでしょうが、そうでない場合はどうすればいいのでしょうか。

 特定商取引に関する法律59条に定めがあります。
「1 販売業者は、売買契約の申込みを受けた場合におけるその申込みをした者及び売買契約を締結した場合におけるその購入者以外の者に対して売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合または申込者等に対してその売買契約に係る商品以外の商品につき売買契約の申込みをし、かつ、その申込みに係る商品を送付した場合において、その商品の送付があつた日から起算して14日を経過する日(略)までに、その商品の送付を受けた者がその申込みにつき承諾をせず、かつ、販売業者がその商品の引取りをしないときは、その送付した商品の返還を請求することができない。
 2 前項の規定は、その商品の送付を受けた者のために商行為となる売買契約の申込みについては適用しない。」

 ということで、14日間そのまま開封せず保管すれば、商品は自分のものになり、代金も支払う必要はなくなります。
 逆に、14日の間、商品を開封・使用したりしてしまいますと、購入の意思があったものとして代金を支払う必要があります。

 この場合の注意点をいくつか述べておきます。

 まず、本当に14日間何もせず保管して、14日間経過後に開封したとしても、「14日間商品を何もせず保管して、14日間経過後に開封・使用した」という証明ができるのでしょうか。
 業者が「何も証拠がないなら、14日間経過前に開封・使用したとして料金を払え」と請求してきて面倒なことになるかも知れません。
 簡単な方法は、14日間経過し、しばらくした日に(14日経過した翌日や、翌々日は危険でしょう)、大きい見出しのニュースがあったとき(例えば「中華航空機那覇空港で炎上」)、その新聞と、開封前の商品を、いろんな角度からツーショットで写真撮影し、プリントアウト(あるいは現像)しておけば、中華航空機が那覇空港で炎上した日の翌日には、まだ商品が未開封であったことを証明できます。開封していく過程もツーショットで写真を撮っていきます。
 念のために、到着した日の新聞一面と、送られてきた商品をツーショットで撮影しておけば、到着した日も証明できます。

 次に、送りつけられた人が事業者であり、その事業に関係した商品の場合などは、14日間何もせず経過しても、商品は自分のものになりません。
 例えば、法律事務所に法律の本を送りつけるような場合です。
 さすがに、法律事務所に、頼みもしない法律の本を送りつける業者はないでしょうが、法律に詳しくない零細な小売業者に狙いをつけて商品を送付する悪徳業者はあとを絶ちません。
 この場合は、商品受取人払いで、宅配便で返送すればよいということになります。


 なお、いずれにしても、紛争に巻き込まれたくないのであれば、商品受取人払いで、宅配便で返送すればよいでしょう。
 いくら証拠を固めているからといって、遠方の業者が、訴訟を提起した場合、これに応訴するのは面倒です。
 「君子危うきに近寄らず」が正解だと思います。

 なお、不幸にして訴訟を提起されたのなら、迷わず、証拠写真を持参して弁護士に相談にいってください。
 自分の住所に近いところに、裁判を「移送」してもらうことも可能ですから、弁護士に、遠方に出張してもらって旅費・日当を払う必要がないとは思いますが、弁護士に対し、相応の着手金・成功報酬は支払う必要があります。

 なお、私の自宅に、ゴルフセットが勝手に送られてきて、それが欲しいものなら、届いた日に写真、14日してしばらくしてから、写真を撮りながら開封して自分のものにします。
 ついでに、写真を同封し、私が弁護士であることを明記して、書留郵便で、送付先に送付します。
 弁護士であること、ホームページアドレスも付記して・・
 訴訟が提起されても、弁護士費用は、自分でやりますから「ただ」ですし、自宅を管轄する「西宮」簡易裁判所に事件を「移送」してもらいます。
 できれば、管轄が、神戸地方裁判所・尼崎支部になる140万円を超えるセットなら・・
 「猫に小判」「豚に真珠」ですね。

 どこかのゴルフ業者やってくれませかねぇ

西野法律事務所
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