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身近な法律問題

23条照会-弁護士に依頼する調査方法

一般の人に調査できないことが弁護士に依頼すれば調査可能なことがあります。

 他人の戸籍や住民票は、一般の人に取れませんね。
 弁護士は、職務上、他人の戸籍や住民票をとれます。依頼者や相談者などの事件関係の身分関係を明らかにするためです。なお、この点は、司法書士でも行政書士でも同じことです。

 その他、弁護士の調査方法としては「23条照会」があります。
 根拠は、弁護士法23条の2です。
「1 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。
2 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。」


 ある人の金融機関・支店の預金の種類・変動・残高などがわかります。
 特定の口座名義人の住所・氏名が分かります。
 固定電話だけでなく、携帯電話の番号の契約者・使用者の住所・氏名がわかります。
 その他、結構あります。

 もっとも、金融機関については、紛争に巻き込まれるのが嫌という理由から、また、実質的には、お得意さんの情報を第三者に流すのがいやという理由により、金融機関が拒絶する例も出てきました。
 基本的に、不回答についての「処罰規定」がなく、強制力がないのが問題ですが、通常、答えてくれるのが原則のようです。

 1件、5300円の手数料と実費がかかります。

 なお、弁護士が、ある事件の受任する予定でなので、その前提として、弁護士会会長名で照会手続きを行なえるのであり、事件を予定しない「調査のみ」は禁じられています。
 もとより、調査の結果、事件を提起することが無意味になった(例えば、勝ち目がないということが分かった)場合は、着手金から手数料(弁護士のタイムチャージ分+アルファ)を返還してもらって事件は終了です。

 事件を依頼するなら、あらかじめ客観的な証拠を固めた方が賢明です。
 それも、相手方に、調査していることが知られないように・・

 23条照会の濫用といわれているのは、損害保険会社の顧問弁護士が、損害保険会社が「長期入院」と思っている事故被害者=患者の病院主治医に対し「入院している医学的根拠を詳細に述べろ」とか「この傷害で、これだけの入院は長すぎると思うが、見解を述べろ」とか(言葉遣いは丁寧です。しかし、実質は、上記の通りです)、医者に向かって、医学の素人の弁護士が、医学的理由を「答えろ」というのも失礼です。
 なお、保険会社は、治療内容の一切を見られるという同意書を患者からとっていますから、患者の治療内容は十分分かっていますから、純粋な「調査」ではありません。
 その上での質問ですから、どうしても「客観的な事実」の照会ではなく、医師の治療に対する「難癖」をつけるという質問(もっとも、医療機関によっては、治療の必要もないのに、長期間入院を許すという不届きな病院があることも、また、事実です)となりがちです。


 本論にもどしますと、個々の弁護士が照会するのではなく、弁護士会長名で照会しますから、「おかしな」「申出の理由」「照会事項」は補正されなければなりません。
 大阪弁護士会では、嘱託弁護士や副会長が担当しています。

 理由が抽象的すぎますと、回答が出ない恐れがありますし、理由を詳細に書くと「プライバシーの侵害」とか言われます。
 通常、副会長からの指摘があれば、申立代理人の弁護士は、妥協しているのが実情のようです。

西野法律事務所
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