身近な法律問題
裁判所のショーケース
大阪ではありませんが、そこそこの大庁で、保全の集中部があります。
また、それなりの興味ある争点を持った、影響も少なくない事件です。
いかんせん、経済的利益が少なくすぎますが・・・
「ライブドアやブルドックの事件は、あんなに決定が早いのに、なんで、うちの事件は遅いのですか」と素朴な疑問を代表者から投げかけられました。
「うちの事件」が普通で、「ライブドアやブルドックの事件」が早いのです。
最高裁判所も、「財界」の目を気にしているのでしょうか、あるいは、日本の国際化ということを考えているのでしょうか、「知的財産事件」と「商事事件」には、とりわけ力を入れています。
もちろん、制度的なもの(知的財産高等裁判所の設置など)もあるのですが、裁判所のエース級を、東京地方裁判所の知的財産部や知的財産高等裁判所に配属したり、東京地方裁判所の商事部に配置しているという点が大きいと思います。
東京高等裁判所に抗告担当部はいくつあるかわかりませんが(大阪高裁は2つです。抗告事件は、2つの部のうちの1つです)、「世間の耳目を集める事件」を考慮する余裕はないと思います。高等裁判所で「?」がつくことありますよね。
裁判官の力量には、正直いって大差があり、ごくごく少数ではありますが「できる人は本当にできます」。
ごくごく少数の「できる裁判官」が、その事件に全力を傾けて決定や判決を書くのですから、「できない」はずはありません。
当然、もとより、内容に不満を持つ関係者も多く、その意味で毀誉褒貶はありますが、よく調べられていて、内容は精緻で、推論も正確、文章もこなれていて、私などが通常担当している事件の裁判書とは、「月とすっぽん」という感じがします。
だだ、判例集で見るだけですが、同じく、世間の耳目を多く集めている事件でも、知的財産と商事以外の判決は、一生懸命書いたという努力の跡はうかがわれても、「?」マークがつき、「つっこみどころ満点」の判決もなくはありません。
もっとも「それならおまえに書けるのか」と、いまになって言われても困りますが・・