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身近な法律問題

司法事務協議会

大阪では、定期的に、司法事務協議会が開催されます。

 出席者は、大阪高等・地方・家庭裁判所裁判官、大阪高等・地方検察庁検察官、大阪弁護士会の役員と司法委員会委員などです。

 私も、遠い昔の話ですが、大阪弁護士会の司法委員会の委員をしていたことがあるので、司法事務協議会に出席したことがあります。
 また、司法事務協議会の議事録は、出版物となり、裁判官、検察官、弁護士に配布されます。

 議題は 裁判所から検察庁に対する要望(不平・不満)、裁判所から弁護士に対する要望(不平・不満)、検察庁から裁判所に対する要望(不平・不満)、検察庁から弁護士に対する要望(不平・不満)、弁護士から裁判所に対する要望(不平・不満)、弁護士から検察庁に対する要望(不平・不満)と、毎年決まっています。

 中には「目新しいもの」もありますが、毎年毎年、同じ様な議題が出題されているものもあります。

裁判所と弁護士から、検察庁に対する要望(不平・不満)として、毎年のようにあるのは「追起訴を早くしてほしい」というものです。
 検察庁としても、短時間にしなければならない事件を多くかかえている一方、一度起訴してしまえば「さほど急がない」「身柄拘束中の」追起訴は、どうしても後回しになるということはわかります。警察からの送致も「さほど急がない」追起訴分は、どうしても遅くなります。


 裁判所から弁護士に対する要望(不平・不満)として、毎年のようにあるのは、「書面を早く出してほしい」ですね。
 「準備書面など期限を指示した書面提出期日は守ってほしい」「控訴状・上告状などは2週間や上告理由書提出期限の50日などという守らなければ却下されるような期日の書面はちゃんと守るのに、控訴理由書の50日という努力目標である期限はなぜ守らないのか」などなど。後者の質問などは「答え」が入っていますね。

 「守らなければ却下されるような期日の書面が優先」「刑事事件や仮処分など急ぐ事件が優先」「新件の訴状起案など、お金が入る事件が優先」「依頼者との打合わせしようとしても日があわない」「少しくらいの遅れは大目に見てほしい」というのが弁護士の本音のように思います。

 弁護士から裁判所に対する要望(不平・不満)として、毎年のようにあるのは、「判決言渡日を延期しないでほしい」「期日のない裁判(抗告事件・家事審判事件など)を後回しにしないでほしい」ということが多いです。


 ここで「おもしろい」のは、司法事務協議会の席上、裁判官は「今日出席している先生方に限って、そのようなことはないのですが」、弁護士も「今日出席している判事さん方に限って、そのようなことはないのですが」と、お互いに「ほめあう」のです。
 最初は「びっくり」するのですが、2、3回目くらいから「お世辞ではなく本心であること」「ほめあう理由」がわかります。

 司法事務協議会に出席している裁判官は、人並み以上に仕事をこなしている裁判官です。裁判所の思惑もあるでしょうし、出席者も自信があるから出席するのでしょう。
 これらの裁判官が、判決言渡期日の変更をすることは滅多にありませんし、記録もよく読んでおられる方々です。

 司法事務協議会に出席している弁護士も、人並み以上に仕事をこなしている弁護士です。
 やはり、期日は守りますし、ちゃんとした書面を出されます。「大口だけたたく」若干の例外がないわけではありませんが・・・
 人並み以下の弁護士なら、自分の仕事だけで「精一杯」です。

 ここでも、時間を守って登校した生徒に「遅刻をするな」と説教し、肝心の遅刻した生徒は説教を聞いていないというような「皮肉な現象」がみられます。

西野法律事務所
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