身近な法律問題
法律事務所はどこに?
また、大阪地方・家庭裁判所堺支部の所在地が、堺市堺区南瓦町ですから、やはり、裁判所近辺に法律事務所が集中しています。
大阪地方・家庭裁判所岸和田支部も同様です。
基本的に、弁護士は、裁判所における仕事を中心にしています。訴訟、調停、破産の申し立てなど、基本的に、弁護士自身が裁判所に出頭したり、事務員が裁判所に書類を届け、受領したりしにいくということが多く、自然に、裁判所の回りに法律事務所が集中します。
大阪の場合、あまり、事務所の最寄りの裁判所に、電車や自動車に乗って行くという発想がありません。
また、弁護士は、弁護士会務などの公的活動も義務づけられていますが、大阪弁護士会が裁判所のすぐそばにありますから、その意味でも便利なのです。
もちろん、東京の場合は、裁判所は皇居・官庁街の中にありますから、裁判所に歩いていくと言うことは不可能で、地下鉄を利用しますから、さほど特定の地域に集中していませんし、逆に、和歌山など裁判所に行くのに自動車利用が多いというところでは、やはり、必ずしも法律事務所が集中している必要はありません。
また、大阪の場合、ある意味「西天満ブランド」「北浜ブランド」の法律事務所でないと、依頼者から信用されないという一面もありますから、どうしても法律事務所が集中してしまいます。事務所家賃も、同様の交通の便の他地域に比べると、かなり高いと考えていただいて結構です。依頼者で、府下の衛星都市で営業している不動産関係者は、最初、その金額に「びっくり」していました。
弁護士に依頼しようと考えた場合、自分の居住地域の近所にある法律事務所が便利であると考えられる方も多いかと思いますが、都市近郊型法律事務所は、必ずしも多くありません。最近は少しずつ増えてきていますが・・・
ちなみに、自分の住んでいる市に法律事務所があるかどうかは、「大阪弁護士会の弁護士検索」 の住所検索で簡単に検索できます。
YahooやGoogleで、「市名」「弁護士」で検索すると、「西天満」「北浜」近辺の法律事務所が多くヒットしてしまいます。「受任対象可能地域」として、「市名」を列挙しているホームページが多いからです。
ただ、自分の住んでいる市に法律事務所があるからといって、すべて、「現役バリバリ」の法律事務所であるという保障はなく、事件をやっていない高齢者が自宅を法律事務所にしていたり、あるいは、就職先のなかった弁護士(いきなり独立して弁護士になった「イキ弁」などといいます。プロフィールに59期、60期と書いてあります。)が、自宅を便宜事務所にしている場合もあります。
ちなみに、大阪弁護士会の会員検索のうち、氏名、事務所所在地、電話、ファクシミリが記載されいてる理由や内容は、一般の方にもわかるでしょうが、「○○期」、登録年はおわかりにならない方も多いかと思います。
「○○期」は司法修習の期で、裁判官・検察官・弁護士の資格をえるため司法修習生になった期をあらわし、私の32期なら、2年後の1980年に法曹資格を得たということになります。数が少ないほど先輩、数が多いほど後輩ということになります。1期の方は1949年に法曹資格を得ていて、60期の方は2007年に法曹資格を得ています。1年ずれていることがおわかりかと存じます。司法修習期間が、途中で2年から1年半に短縮されたからです。
なお、○○期で弁護士の「目上」「同期」「目下」がきまります。
私は「32期」で昭和55年に法曹資格を得たこと、弁護士登録した年は平成2年に弁護士になったことが分かります。
10年ずれているのは裁判官を10年経験しているからで、通常は、法曹資格を得た年=弁護士登録をした年という人が多いです。
一般の方は、大阪の場合、JR、私鉄、地下鉄などが発達していますから、特に、自分の住所の近所の法律事務所にこだわる必要はなく、裁判所近所の法律事務所に依頼してもいいと思います。
普通、個人が弁護士に依頼するのは、一生に一度あれば多い方です。
少し手間はかかりますが、多種多様な弁護士に依頼するという選択の幅が広がりますから、十分ペイするように思います。