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身近な法律問題

多数弁護士連名の訴状

大阪にも、比較的規模の大きい事務所が増えてきました。

 被告事件で、相談者・依頼者が、原告代理人として数名、場合によっては十数名の記載された訴状をもってきて「相手は、これだけたくさんの弁護士をつけてきた」と大騒ぎすることがあります。

 この点は、同じ事務所所在地の弁護士が何人いても意味はありません。
 基本的に、1件について、担当する弁護士は1名だけです。訴状に「主任」とか「担当」とか書いてあります。
 他の弁護士は名前が挙がっているだけ、事件の中身も知らないことがほとんどです。
 着手金や報酬も通常1人分です。
 訴状はともかく、次の準備書面から、弁護士の名前が1人になることも結構あります。

 もっとも、大した案件でなくても、2人弁護士が来てることがあります。
 大抵は、1人が担当で、もう1人は、バッジがまぶしい初々しい弁護士さんで、先輩の事件処理の勉強がてら来ていることが多いです。

 なお、違う事務所所在地の弁護士が複数記載されている場合は、通常、複数の弁護士が分担・担当している事件ということになります。
 通常、難しい事件です。
 着手金や報酬は2倍とまではいかなくとも、1人の場合より多額を支払っていることは間違いはありませんし、弁護士どおしが、知恵を出し合いながら訴訟を進めてきますから、手強い(てごわい)ことに間違いはありません。

 「相手は、これだけたくさんの弁護士をつけてきた」と騒ぐ人には、「相手は、複数の弁護士に仕事を依頼するだけ多額の着手金をもらっていると思いますか?」と逆に聞くようにしています。

 通常「こんな事件で」「そんなことないですよね」で終わりです。
 「そう思います」と言われる方には、冗談で「それなら、うちも倍の着手金いただきましょうか」と言返すと「いえいえ、そんなことはありません」と、すぐ前言撤回される方ばかりです。

  なお、世間の耳目を集める事件は「弁護団」がつくられます。
 実際、多人数の弁護士が出頭します。
 基本的に着手金の金額はわずかで手弁当というのが通常です。
 大きく勝訴すれば、それなりに報酬はもらえます。

西野法律事務所
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