身近な法律問題
境界杭が動く?
境界線を示す杭は、都市部では金属製になり「ちょっとやそっと」では動かすことはできないようになっています。
地方へ行くと、夜中に杭が少しずつ動いていたということがあります。
もちろん、杭が夜中に気ままに散歩するわけではなく、土中に差している杭を、片方の所有者あるいは関係者が動かしているのですが。
「そんなことまでやるか」とお思いの方も多いとは思いますが、世の中に「浅ましい」人はいるものです。
これに対抗するには、あらかじめ写真をとっておくことが有効です。
ちょっとやそっと出動かせない大木や建物との位置関係が明確になるように工夫して写真をとることが必要です。
こんな事件もありました。
上の位置にある畑、傾斜になった法面(のりめん)があり、下の位置に畑がある場合は、法面は上の位置にある畑の所有者のもの、つまり境界は、法面と下に位置する畑とが交わる線です。
上の位置にある畑の所有者が放置している隙に、下の位置にある畑の所有者が大がかりに土を埋め立てたため、一見すると境界線が動いたように見えた事例がありました。
旧国土地理院の航空写真が残っていたため、下の位置にある畑の所有者の「嘘」がばれたのですが、それがなければ、大変なことになるところでした。
油断のならない隣人がいるときは、マメに写真をとっておくことをお勧めします。