身近な法律問題
たちの悪い賃借人
回収するための督促に手間はかかる、督促にいっても支払ってもらえない、そのうち滞納が多額になるなどいいことは一つもありません。
そのうちに家賃を滞納したまま、夜逃げをするかも知れません。
できるだけ早く、家賃不払いを理由として、建物退去の訴訟を提起したほうがいい場合もあります。
なお、建物退去の訴訟を提起するとなると、弁護士に対する着手金・報酬、印紙など実費がかかりますし、さらに、夜逃げしている場合も含め、任意に退去しない場合には、執行官の手数料と、執行業者に明渡しを依頼する費用がかかります。
執行業者に明渡しを依頼する費用は数十万円は覚悟しておいて下さい。また、そういうたちの悪い賃借人ほど、貴重品(たいてい、宝石、貴金属、高価な時計)があったので弁償してくれと要求してくるものです。
これに備え、滞納している賃料で、動産を差押さえて競売してきれいにしておくのですが、文句をいってくることが間々あります。
執行業者は、弁護士は、いつも依頼している業者を通常もっています。
執行業者が、貴重品を見つける目は大したもので、紙幣はもちろん、硬貨のたぐいも見つけますし、古物商の資格を持っている職員が多く、いわゆる「目利き」ですから、売却可能なものはすぐ見つけてくれます。
もちろん、写真もとっていますから、後から来るクレームの心配はまずないと思っていただいてよいでしょう。
なお、アルバム、卒業証書などが放置されていると保管することになり、手数料が別途かかります。
なお、賃料を滞納しているからといって、自力救済はいけません。
自力救済とは、賃料滞納分を支払わせるために、鍵を勝手にかえてしまうとか、電気水道ガスの供給を停止したり、夜逃げした賃借人の残した動産などを勝手に廃棄したりすることをいいます。
弁護士に依頼して、法的措置をとるべきことを強くお勧めいたします。