身近な法律問題
むだな収入印紙は貼らないようにしましょう
しかし、弁護士が職務上作成する文書にも、印紙の貼付が必要な場合があります。
例えば、弁護士が、破産管財人として、破産財団に属する土地・建物を売却する際に、売買契約書を作成するのですが、2通作成して、破産管財人と買主が持つことにすれば、破産管財人は収入印紙を貼用する必要があります。
金額が大きいですから、印紙額もそれなりになります。また、印紙税のために、貴重な配当原資が減ってしまいます。
ということで、大阪地方裁判所破産部は、管財人に対し、売買契約書は1通にすること、原本は、買主が印紙を貼付して、買主が持つものとし、売主である破産管財人は、売買契約書のコピーを持つことを指導(ほぼ強制)しています。
売買契約書は、弁護士が破産管財人として職務上作成する文書でも、印紙税の課税対象となるという解釈です。
別に、契約書が2通必要ということはありませんし、売買内容について争いになれば、コピーで十分裁判で通用します。
この方法は、一般の方でも利用できます。
裁判所が、強く勧める方法ですから、もちろん合法です。
売却した方は、代金さえもらえれば、売買契約書の原本など必要ありません。
もっとも、後日、争いになったときが怖いですから、コピーをもっておくのです。
そうすれば、法的効果は全く同じで、売主の印紙税は「0」になります。
なお「これは原本の写しである」と書いてしまうと(認証文言)、印紙税が必要となります。この点はご注意下さい。
なお、支払い方法は銀行振込みのみ、領収証は非発行で、請求書と銀行の振込み用紙控えがワンセットで領収証代わり、領収証希望の人は印紙代と郵便切手代をお支払い下さいというところが増えてきました。
ある意味合理的ですよね。
所得税や消費税はある程度理解できないわけではありませんが、印紙税が必要な理由は、今ひとつよくわかりません。
「担税力」があるといわれても、不動産を住宅ローンで購入した人に、本当に「担税力」があるかどうかは疑問です。
結局は、「取りやすいところから取る」ということなんでしょうか。