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身近な法律問題

DVやストーカーと住民票

住民票は、当たり前の話ですが、住んでいるところ=生活の本拠におきます。

 昔は、借金取りから逃れるために、住民票をそのままにして、他の住所に移り住むということがありました。子供を保育園や小中学校に通わせることが困難になったりするのですが、市区町村は便宜をはかっていました。
 現在は、一部のヤミ金からの取立を除いて、住民票を移さずに、他の住所に移り住むという必要はなくなりました。無理に逃げ回らなくても、法律や行政指導が厳しくなったため、無茶をする貸金業者は、遠慮会釈なく「業務停止」を食らいます。

 ただ、DV(家庭内暴力)被害者とストーカー被害者は、そう簡単にいきません。
 これらは、相手が冷静な「プロ」ではなく、感情に走った「素人」ですから、怖いですね。

 ただ、住んでいるところ=生活の本拠にしておかないと(いわゆる住民票がないと)、子供を保育園や小中学校に通わせることが困難になったり、母子家庭なら母子手当てがもらえないとか補助が出ないとか、地域の国民保険に加入できないとかの不利益があります。
 また、運転免許の取得も遠隔地の住民票ではとりにくいでしょうし、就職、アパート入居などで、住民票の提示を求められ、これらに支障をきたす場合があります。

 国単位ではありませんが、各市区町村で、DV及びストーカー被害者の住民票等の支援措置をとっています。
 支援措置といっても、お金をくれたり、住居をあっせんしてくれるわけではなく、DVの被害者を保護するため、住民基本台帳の一部の写しの閲覧、住民票の写し等及び戸籍の附票の写しの交付について、不当な目的により利用されることを防止することができる制度です 。

 具体的には、支援措置支援内容加害者が判明している場合、加害者からの請求については、「不当な目的」があるものと し、交付しない又は閲覧させないこととします。
 その他の第三者からの請求については、加害者が第三者になりすまして行う請求に対し、交 付する又は閲覧させることを防ぐため、住民基本台帳カードや運転免許証等の写真が貼付 された身分証明書の提示を求めるなど、本人確認をより厳格に行い、あわせて請求事 由についても審査した上で交付します。
「住民基本台帳事務における支援措置申出書」 をご覧下さい。各市区町村により、若干様式が代わっています。

 ただ、たとえば夫から身を隠したい場合、夫が自分のDVを隠し、「妻が男をつくって逃げた」から離婚したいと弁護士に法律相談したとします。
 弁護士は、事実関係の調査する手段はありませんから、巧妙に話しさえすれば、31万5000円の着手金+2万円程度の実費と、委任状を受取ったうえで、職務上、住民票を取寄せ、そして、調停申立書の案を夫にチェックしてもらうために見せます。その時点で、夫は、妻の住民票がどこにあるかわかります。
 そこで、「依頼者を装った」者が、弁護士を解任し(ある程度の全額しか戻りません)、直接、妻のところに行く可能性があります。

結構高いものにつきますが、興信所より安いかも知れません。
 つまり、制度自体に「抜け穴」がありますから、100%安全だと思わない方がよいでしょう。

 ちなみに、当事務所は、DV(家庭内暴力)とストーカー事件は一切扱いません。

 受任通知を出すと、法律事務所に凶暴な相手方が来る可能性がありますが、当事務所は、男性は私だけで、私の留守中をねらわれると、収拾が取れなくなるからです。通常、DV(家庭内暴力)とストーカー事件を扱う事務所には、万一に備えて、若い男性弁護士がおられるか、屈強な男子事務員が在籍しています。
 これらを扱う弁護士は 「特殊事件を扱う弁護士さんの探し方」 を参照してください。

 案外、素人で精神を病んでいる人の方が、暴力団員より危険です。

   
西野法律事務所
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