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トリビア バックナンバー 2/2

十二支十干

私は、今53歳ですが、私と同時に裁判官・検察官・弁護士になった方に、既に還暦を迎えられている方が結構おられます。
 私が司法試験に合格したのが22歳、昭和52年度の司法試験合格者の平均年齢は28.9歳でした。
 単純に計算すれば、平均60歳ですよね。

 「還暦」とは何を意味するのでしょう。
 もちろん中国伝来です。

 十干があります。
甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸ですね。
 音読みでは「こう」「おつ」「へい」「てい」「ぼ」「き」「こう」「しん」「じん」「き」と読み、訓読みにすると「きのえ」「きのと」「ひのえ」「ひのと」「つちのえ」「つちのと」「かのえ」「かのと」「みずのえ」「みずのと」と読みます。 
 「木(き)」「火(ひ)」「土(つち)」「金(か)」「水(みず)」に、それぞれ、陽=兄(え)、陰=弟(と)がつきます。

 十二支があります。
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥ですね。
もちろん動物の名前です。
 韓国や中国では「亥」は「豚」です。いのししは、野生の豚で、いのししと豚の間には子ができますが(イノブタ)、イノブタには子ができません。

 また、日本は新暦ですが、中国などは旧暦だそうで、同じ生年月日の人でも、新正月と旧正月との間に生まれた人は、日本人と中国人で「干支」が違うということがあり得ます。

 十二支と十干を組み合わして年代を表現します。

 西暦なら単純ですが、改元のある元号は、ころころかわります。
 また、複数の国で複数の元号があり、中国が統一王朝でなかったころは、同一時代に、複数の元号が併存することもありました。

 十二支十干は、どこの国でも「客観的に」年号を表記できます。
 60年も同じ干支の年がこないので、区別するには十分ですね。人間も60年生きれば十分というわけではないでしょうが、15歳の子供と75歳の高齢者をみれば、同じ干支でも、何年に生まれたかは分かります。

 「甲子」(きのえね)(ちなみに、甲子園は、甲子(きのえね=大正3年に建築されました)ではじまり、「癸亥」(みずのとい)で終わります。

 12×10で120年表せるのではないかというわけではありません。
 12と10の最小公倍数の「60とおり」しかありません。
 「甲丑」などは存在しませんから・・

 昔は、元号の他、十二支十干で年号をあらわしていました。
 「辛亥革命」「戊辰戦争」などといいますよね。
 明治時代、戸籍制度が取りいれられた時、元号の横に十二支十干を念のため付記した地方自治体もあります。
 私のご先祖さんの戸籍(当時の上南部村)には、しっかりと、元号の斜め上に、干支(十二支十干)が併記されています。

 なお、選挙などで、候補者が双方今ひとつというとき「甲乙つけがたい」ではなく、「丙丁つけがたい」ということがあります。
 三つどもえなら「甲乙丙つけがたい」ではなく「丁戊己つけがたい」となります。
 ちなみに、甲乙丙丁は「合格」ですが、「戊」は不合格です。

 ちなみに、ある弁護士会・地方単位会の平成某年の会長選挙の時、会長候補者双方が、「甲乙つけがたい」ではなく「丙丁つけがたい」とよくいわれたものです。
 いずれにせよ「合格点」ではありますが・・

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