2021年2022年バックナンバー
雑記帳
東アジア「人口減時代」に突入
韓国、台湾、香港の令和2年の人口はそれぞれ3万2700人、7900人、6700人の自然減を記録しました。
各国の最初の統計以降での自然減はいずれも初めてです。
この3カ国では新型コロナ対策が奏功し、死亡者数は例年とさほど変わりませんでしたが、出生数が大幅に減りました。
出生数は前年に比べそれぞれ10%、7%、18.5%も減りました。
人口14億人とされる中国も自然減へと近づいています。
中国の公安省によりますと、令和2年の新生児数は15%減の1003万5000人で、中国の毎年の死亡者数は1000万人弱で推移していますから、出生数と死亡数がほぼ並んだようにみえます。
もっとも、中国の公安省の集計は登録ベースのため、未届けが大量に存在すると考えられていますから、あてにはなりません。
妊娠期間を考慮すると、新型コロナが令和2年の出生数に与えた影響は限定的だったとみられます。
出生数の減少は新型コロナよりも、むしろこれまでの婚姻数の減少が直接的な原因だった可能性が高いといえます。
中国、台湾、韓国はコロナ前から結婚の減少が続いていて、いずれも婚姻数は平成27年から令和元年で1~3割ほど減少しました。
住宅費の高騰などで、若い世代が厳しい経済環境に置かれていることが理由に挙がっています。
コロナの影響もあって令和2年の婚姻件数が前年比で1割ほど減っており、令和3年の出生数が一段と落ち込む要因になりそうです。
少子化は経済水準との関連性が高いといわれています。
1970年代の日本は合計特殊出生率は2.0前後で推移し、人口の維持に必要な数の子どもがほぼ生まれていました。
しかし、1人あたり国内総生産(GDP)が1万ドルを上回った1980年代半ばに低下が顕著となり、1990年代半ばに1.5を下回わりました。
台湾と韓国は、1990年代前半に1人あたりのGDPが1万ドルを超えましたが、やはり10年後の2000年代に1.5を割りました。
中国も、2019年に1万ドルを超えており、経験則からみて、出生率が急低下する時期を迎えつつあります。
日本と他の東アジア地域が異なるのは少子化のスピードです。
日本は2000年代に人口の自然減が始まりましたが、合計特殊出生率はおおむね1.3以上を維持してきました。
これに対して、2018年から2020年まで、台湾は1.0前後で推移していて、韓国は2018年に0.98となり、2020年は0.84に低下しました。
中国も1.2~1.3まで低下しているという推計もあります。
急激な人口減少は「人口の崖」をつくるのでが、日本以上に険しい崖ができかねません。
すでに各国・地域とも人口減少の時期が予測や想定より10年ほど早まっています。
国連の人口予測も2019年の段階で、台湾の人口減少は2030年から、韓国は2025年としていました。
それが、前述のように、2020年に前倒しされています。
中国については中国社会科学院が2030年、国連が2032年から減少に転じると予測していますが、最近の数字を見るかぎり早まる可能性が高いといえます。
人口減少が早まったことで超長期の経済予測にも修正が迫られるでしょう。
経済成長との関連性が高い生産年齢人口(15~64歳)はすでに中国、台湾、韓国とも減少に転じていますが、出生率低下が続けばこちらも想定を上回るスピードで進みます。
緩やかに進んだ日本の人口減少に比べ、アジアの人口減少はどこも急激です。
人口増加に支えられた経済成長は終わりを迎えつつあります。
IT利用などで生産性を劇的に向上させなければ日本以上に長期の低成長に見舞われかねないといえます。
21世紀はアジアの世紀になるといわれてきましたが、人口減少という大きな壁を乗り越えなければならないということになります。
各国の最初の統計以降での自然減はいずれも初めてです。
この3カ国では新型コロナ対策が奏功し、死亡者数は例年とさほど変わりませんでしたが、出生数が大幅に減りました。
出生数は前年に比べそれぞれ10%、7%、18.5%も減りました。
人口14億人とされる中国も自然減へと近づいています。
中国の公安省によりますと、令和2年の新生児数は15%減の1003万5000人で、中国の毎年の死亡者数は1000万人弱で推移していますから、出生数と死亡数がほぼ並んだようにみえます。
もっとも、中国の公安省の集計は登録ベースのため、未届けが大量に存在すると考えられていますから、あてにはなりません。
妊娠期間を考慮すると、新型コロナが令和2年の出生数に与えた影響は限定的だったとみられます。
出生数の減少は新型コロナよりも、むしろこれまでの婚姻数の減少が直接的な原因だった可能性が高いといえます。
中国、台湾、韓国はコロナ前から結婚の減少が続いていて、いずれも婚姻数は平成27年から令和元年で1~3割ほど減少しました。
住宅費の高騰などで、若い世代が厳しい経済環境に置かれていることが理由に挙がっています。
コロナの影響もあって令和2年の婚姻件数が前年比で1割ほど減っており、令和3年の出生数が一段と落ち込む要因になりそうです。
少子化は経済水準との関連性が高いといわれています。
1970年代の日本は合計特殊出生率は2.0前後で推移し、人口の維持に必要な数の子どもがほぼ生まれていました。
しかし、1人あたり国内総生産(GDP)が1万ドルを上回った1980年代半ばに低下が顕著となり、1990年代半ばに1.5を下回わりました。
台湾と韓国は、1990年代前半に1人あたりのGDPが1万ドルを超えましたが、やはり10年後の2000年代に1.5を割りました。
中国も、2019年に1万ドルを超えており、経験則からみて、出生率が急低下する時期を迎えつつあります。
日本と他の東アジア地域が異なるのは少子化のスピードです。
日本は2000年代に人口の自然減が始まりましたが、合計特殊出生率はおおむね1.3以上を維持してきました。
これに対して、2018年から2020年まで、台湾は1.0前後で推移していて、韓国は2018年に0.98となり、2020年は0.84に低下しました。
中国も1.2~1.3まで低下しているという推計もあります。
急激な人口減少は「人口の崖」をつくるのでが、日本以上に険しい崖ができかねません。
すでに各国・地域とも人口減少の時期が予測や想定より10年ほど早まっています。
国連の人口予測も2019年の段階で、台湾の人口減少は2030年から、韓国は2025年としていました。
それが、前述のように、2020年に前倒しされています。
中国については中国社会科学院が2030年、国連が2032年から減少に転じると予測していますが、最近の数字を見るかぎり早まる可能性が高いといえます。
人口減少が早まったことで超長期の経済予測にも修正が迫られるでしょう。
経済成長との関連性が高い生産年齢人口(15~64歳)はすでに中国、台湾、韓国とも減少に転じていますが、出生率低下が続けばこちらも想定を上回るスピードで進みます。
緩やかに進んだ日本の人口減少に比べ、アジアの人口減少はどこも急激です。
人口増加に支えられた経済成長は終わりを迎えつつあります。
IT利用などで生産性を劇的に向上させなければ日本以上に長期の低成長に見舞われかねないといえます。
21世紀はアジアの世紀になるといわれてきましたが、人口減少という大きな壁を乗り越えなければならないということになります。