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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

平均寿命と平均余命

 平均寿命というのがあります。
 日本人の場合、女性は世界一ですが、男性は世界一でありません。

 よくある勘違いが、自分の年齢をみて、平均寿命と比べ「平均寿命-自分の年齢=あと何年生きられるか」とするものです。

 しかし、平均年齢まで生きている人は「0」でしょうか、平均年齢以上に生きている人は「マイナス」=「もつと以前に死ぬべきであった」でしょうか。そんなことはありません。

 平均寿命は、0歳の日本人が、これからどれだけ生きられるかを示したもので、これまで生きている人は、たとえば、危険な出産時、幼少期などを生き抜いているのですから、もつともっと長く生きられるはずです。

 平均余命表の自分の年齢の「余命」を見るのが正解です。
 この表では5年刻みですが、1年刻みの表もあります。
 交通事故では、1年刻みの表を使います。

 基本的に、交通事故の損害賠償請求の場合「いくつまで働ける」とされるているかご存じでしょうか。
 67歳です。

 昭和40年当時の平均寿命は67.74歳でした。
 これを基にして67歳まで勤労可能としたようです。
 これは、私が、法律の勉強をはじめた昭和50年から変わっていません。

 死亡時、あるいは、症状固定時(これ以上、良くならないと診断された時点)から67歳まで何年かを計算し、その年数に応じたライプニッツ指数(複利による将来の価値を現在の価値にひき直した数字)をかけて計算します。

 ところが、67歳以上の人は「0」でしょうか。
 また。67歳に近い人は、67歳で打ちきりでしょうか。
 そんなことはありません。
 死亡時、あるいは、症状固定時から67才までの年数が平均余命の2分の1より短くなる高齢者の労働能力喪失期間は、原則として「平均余命の2分の1」として計算するのが普通です。
 つまり、そこまで元気に働いてきたのだから、余命の半分くらいは「健康に働けますよ」ということになります。
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