2021年2022年バックナンバー
雑記帳
ファイルの削除と復元
ファイルの削除と復元については、ある程度、知識が浸透してきました。
ただ、まだ「ごみ箱」にアイコンを移動しただけで、ファイルの削除をしたと思っている人もいます。
「ごみ箱」のフォルダを開けて、「元に戻す」で、元に戻ります。
「ごみ箱を空にする」あるいは「ごみ箱の個々のファイルを削除する」で、一応ファイルは削除されたことになります。
ごみ箱からも削除してしまったファイルでも復元することが可能です。
もうちょっとまともな話をして、「ファイル復元ソフト」というのがあります。
削除してしまったファイルを作り直している、というわけではありません。
ファイルの削除というのは、ファイル名等だけWindows上からファイルを見えなくしているだけで、内部的にファイルは残っています。
ファイルを削除した直後なら、ほぼ100%復旧できます。
その後はどうでしょう。
ファイルを削除するということは、Windowsのシステム的には、そのファイルが使っていたスペースが自由に使われるということになります。
よって、そのファイルのあった場所に、何か別のファイルが保存されることになります。
削除したファイルの実態のある場所に、別のファイルが保存されてしまうと、ファイルを復元することができなくなってしまいます。
誤って消去したファイルを復元したい場合は、「できるだけ早く」ファイル復元ソフトによりファイルを復元することが大切です。
できるかどうかは・・やってみなければわかりません。
素人なら、この程度です。
プロにかかれば、HDDなりFDの物理的データを解析し、ファイルのあった場所に、他のファイルにより上書きされていない部分をつなぎあわせて、全く上書きされていなければ、元のファイルを完全に復元することができますし、一部しか上書きされていなければ、その部分を除いて元のファイルを復元することができます。
HDDのファイルが復元できる・・ということは、HDDのついたパソコンを、安易に廃棄することは危険です。
特に、法律事務所のパソコンのファイルは「プライバシーの固まり」といって差し支えなさそうです。
すべてのファイルを「ごみ箱」に入れて、「ごみ箱」を空にするだけ、あるいは、クイックフォーマットして終わりで廃棄というのは怖いですね。
ファイル完全削除ソフトというソフトがあります。
無意味な文字列を書き込んだりして完全にファイルを抹消してくれるそうです。
私たちは、出入りの業者に、復元できることの無いよう廃棄してほしいと依頼します。
秘密漏洩は怖いですね。責任賠償保険はかけてますが、いくら請求されるかわかりません。
法律事務所は、一般論として「物持ちがいい」ですから、廃棄したいパソコンなどは、相当、旧式で再利用は考えられません。
ということで、業者は、ファイル完全削除ソフトなどを用いずに、HDDを物理的に破壊してしまいます。
自分で、コンピュータを開け、HDDを取出し、金槌でたたきつぶして、バケツに1日浸しておけば「無料」なんでしょうが、面倒ですから、業者に廃棄を依頼することになり、結構とられます。
手っ取り早いのは、削除せずに、サイズの大きめのダミーのファイルを読込んで、上書きしてしまうのが効果的だそうです。
誤って「上書きした」ファイルの復元は難しいですよね。
ちなみに、復元不能に完全を期すなら、小渕優子衆院議員の元秘書や後援会事務所がしたような方法をとればいいのです。
東京地検特捜部が、平成26年10月に、政治資金規正法違反容疑で元秘書の折田謙一郎前中之条町長(当時66)宅や後援会事務所などを家宅捜査した際、会計書類を保存したパソコンのハードディスクが破壊されていました。
壊された複数のハードディスクには、ドリルなどの工具で穴を開けた形跡が見つかりました。
さすがに、ハードディスクをドリルで穴を開けまくれば、さすがに、復元は不可能です。