離婚
協議離婚不受理届
日本の離婚届けは簡単です。
特に、実印の押捺と印鑑証明を要するわけではありませんし、離婚届が提出されれば、形式だけを審査して受理されれば協議離婚が成立します。
もちろん、偽造をすれば、有印私文書偽造・同行使、電磁的公正証書原本不実記録の各罪が成立します。
ただ、署名は、自筆による必要はなく、夫あるいは妻から依頼を受けて、配偶者あるいは第三者が代書しても有効です。配偶者が代筆すると、同じ筆跡の署名が「夫欄」「妻欄」に並んでしまいますから、そんな馬鹿なことをする人はいません。
市区町村役場に提出された出生届、婚姻届、離婚届、死亡届などの戸籍届書はおおむね1か月間本籍地の市区町村役場で保管された後に、その市区町村を管轄する法務局(又はその支局)に送付されることになっています。
この戸籍届書は、その性質上原則として非公開とされていますが、一定の利害関係人は、特別の事由がある場合に限り、その閲覧、記載した事項について証明書を請求することができることとされています。
もっとも、夫婦間のことですから、偽造されたとして警察や検察に行っても、そう簡単に捜査はしてもらえません。
張り切って捜査したところで、夫婦の間に話がつけば「実は、私が、代書を依頼しました」と言われれば、それまでの苦労が水の泡です。
それほど容易な離婚届けですから、配偶者が勝手に偽造して提出する可能性がありますから、その恐れがあるときは、本籍地の市区町村長に対し「不受理申出」をしてください。離婚届は受理されません。
協議離婚に署名したけれど気が変わって離婚したくなくなったときも同様です。
また、白紙の離婚届に署名押印したが、離婚をするつもりがなくなったというときも同じです。
協議離婚に同意したからといって、協議離婚届を提出するまでは、協議離婚届出時に離婚意思がないとなれば、届出は無効です。
やはり、本籍地の市区町村長に対し「不受理申出」をしてください。
本人以外の申出は受付されません。運転免許証・パスポートなどの身分証明書と認め印を持参下さい。
以前は、6か月が最長でしたが、この期間が撤廃されています(平成20年5月1日以降の申出)から、「取下書」の提出をしないと不受理期間はずっと続きます。なお、念のため、届出の際に、市町村の担当者に確認してください。
なお、不受理届の取下げは、いつでもできます。