離婚
離婚や婚姻費用についての調停段階で弁護士に委任することのメリット・デメリット
離婚調停(婚姻関係調整の調停)は、すべての条件について合意しなければ不調になります。
離婚するしないについて争いがある場合、親権者に争いがある場合、財産分与に争いがある場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することになります。何もしなければ、そこで終了です。別居状態が、そのまま続くということになります。
婚姻費用の調停は、調停が不調になれば、当然に家庭裁判所の審判手続きに移行します。
婚姻費用の審判は、裁判所から求められる書類を提出するだけです。書類を双方が提出してから1、2か月で裁判官(家事審判官)が審判を出します。
面会交流の調停も、調停が不調になれば、当然に家庭裁判所の審判手続きに移行します。
面会交流の審判は、家庭裁判所の調査官が調査にかかります。夫と妻本人のほか、年齢にもよりますが、子どもに面会して報告書を作成します。それをもとに裁判官が審判を出します。
というより、裁判官が出てきて、無理にでも調停を成立させるのが普通です。
婚姻費用のように、書面だけでさっさと審判しません。
審判が出た、嫌々の面会交流が、円満な面会交流にはなるはずがありません。
審判が出た、嫌々の面会交流が、円満な面会交流にはなるはずがありません。
調停は当事者本人の出頭が必要ですが、本人のみで調停を進めることも可能ですし、現実には、本人のみの調停が多いでしょう。
私は、以下の場合に、弁護士に委任し、弁護士と一緒に調停にのぞむのがよいとアドバイスしています。
1 相手方に弁護士がついている場合。
2 調停が不調となった場合、離婚訴訟を提起しようと考えている場合、あるいは、離婚訴訟を提起されることが確実と考えられる場合。
3 慰謝料、財産分与の額が大きく、弁護士費用を払うだけの価値があると考えるとき。
4 事案と調停委員の意見について、ありのままを弁護士に相談し、弁護士が、調停委員の意見には疑問があると判断したとき。
2 調停が不調となった場合、離婚訴訟を提起しようと考えている場合、あるいは、離婚訴訟を提起されることが確実と考えられる場合。
3 慰謝料、財産分与の額が大きく、弁護士費用を払うだけの価値があると考えるとき。
4 事案と調停委員の意見について、ありのままを弁護士に相談し、弁護士が、調停委員の意見には疑問があると判断したとき。
費用の面ですが、現在は、弁護士費用は、各弁護士により異なっています。
以前は「報酬規定」が各弁護士会にあり、弁護士費用は、概ね「報酬規定」によっていましたが、自由化されてからも、従前の「報酬規定」によっている弁護士が多いといわれています。
「報酬規定」によれば、調停について委任し、さらに同じ弁護士に訴訟を依頼する場合、訴訟移行時(訴訟提起時)の着手金は、調停の着手金の2分の1加えた金額になるという規定があります。
私は、訴訟になったときの着手金から(離婚など)、10万円(消費税別)引いた金額を調停の着手金としていただき、調停から裁判になるときに、10万円(消費税別)追加でもらっています。
また、審判訴訟になったときの着手金から(婚姻費用、面会交流など)、10万円(消費税別)引いた金額を調停の着手金としていただき、調停から裁判になるときに、10万円(消費税別)追加でもらっています。
調停で弁護士に依頼せず、訴訟ではじめて弁護士に依頼する場合と、調停も訴訟も弁護士に依頼する場合と弁護士費用は、あまり変わりません。
離婚訴訟になることが確実な場合や、慰謝料、財産分与の額が大きく、弁護士費用を払うだけの価値があると考えるときは、弁護士に依頼することをご検討下さい。