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離婚

面会交流

いつの間にか「面接交渉」という言葉が「面会交流」に変わっていました。

 「語感」がよくないということでしょうね。


 面会交流は、離婚後または別居中に、子を養育・監護していない方の親が子どもと面会等を行うことです。

 離婚後は、夫婦は別居ということですから、子を養育・監護していない方の親は、一定の日時を決めて、子に会うということになります。
 また、離婚前であっても、両親が別居中という場合、子を養育・監護していない方の親は、一定の日時を決めて、子に会うということになります。


 子どもが中学生に位になれば、よほど遠方でもない限り、勝手に行きますから、乳幼児小学生までくらいの話です。

 また、通常は、母親が監護・養育していますから、父親が子に会うというのが普通です。


 面会交流の具体的な内容や方法については、まずは父母が話し合って決めることになります。
 話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停の申立てをして、面会交流に関する取り決めを求めることができます。
 子の監護に関する処分(面会交流)調停事件として申立てをします。


 建前ですが「子どもとの面会交流は、子どもの健全な成長を助けるようなものである必要があるので、調停手続では、子どもの年齢、性別、性格、就学の有無、生活のリズム、生活環境等を考えて、子どもに精神的な負担をかけることのないように十分配慮して、子どもの意向を尊重した取決めができるように話合いが進められます」「面会交流の取決めに際しては、面会等を行う際に父母が注意する必要のある事項について裁判所側から助言したりします」となっています。


 弁護士がつくような場合には、通常は「離婚前」です。


 母親から、婚姻関係調整(離婚)の調停の申立てと、婚姻費用分担の調停の申立てがなされ、父親から、子の監護に関する処分(面会交流)調停事件をするというのが、通常のパターンです。

 「子どもとの面会交流は、子どもの健全な成長を助けるようなものである必要がある」とはなっていますが、現実には「きれい事」ではありません。


 離婚に争いがある場合、母親から「面会交流を多くするから、離婚に応じてほしい」、父親から「面会交流を多くするなら、離婚に応じていいい」との主張がされます。


 離婚に合意しても、財産分与の金額や、婚姻費用(離婚前)・養育費(離婚後)の金額の交渉に、「面会交流」の回数がからんできます。


 母親から「面会交流を多くするから、財産分与や養育費を多くほしい」、父親から「面会交流を多くするならに、財産分与や養育費を多めに出す。そうでなければ、裁判所の定型の基準どおりしかださない」などとの応酬があります。


 調停で、面会交流の内容について合意するときは「月1回第1日曜日の午後1時から2時間。都合が悪いときは、別の合意をしない限り、自動的に1週間後にする。1週間後が都合が悪ければ同様とする」「場所は、別の合意をしない限り、○○ホテルのロビーとする」「1月と8月の第1日曜日から○日間父親のところで暮らす」などと調停調書を作成します。
 弁護士は「あいまい」にして、トラブルを持ち込まれるのが嫌です。


 それでなくても、養育費を要求するだけで、面会交流に応じようとしない母親、養育費も支払わずに、面会交流を求める父親など、後々まで「困ったこと」がおきます。
 なお、養育費の支払いと面会交流との間には、直接の法的関係はありませんが、「常識」というものでしょう。


 なお、話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には、離婚や親権や財産分与などの争いは、別途、訴訟を提起するということになりますが、面会交流だけは、自動的に審判手続が開始され、家事審判官(裁判官)が、一切の事情を考慮して、審判をすることになります。


 審判に応じない場合は「間接強制」といって、例えば「1日会うのを遅らせるごとに1万円を支払え」という審判を求めます。
 地方裁判所でする「この引き渡しの仮処分」と異なり、執行官が行って、子どもを連れてくるということはしません。

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