離婚
家事調停の増加
一般民事事件は減少しています。
大阪地方裁判所の本庁の新件は、一時期(過払いバブルのころ)の半分になりました。
破産事件も減少しています。
この間に、弁護士数は増加を続けています。
いきおい、各弁護士の家庭裁判所での事件数は多くなります。
家事事件は、家事調停事件(離婚や遺産分割などの)、家事審判事件(後見開始や遺産分割や成年後見)、人事訴訟事件(離婚や子の認知など)によって大きく分けられます。
裁判所の受理件数などの司法統計によると、平成28年1月から12月までの家庭裁判所の受理件数102万2859件は、平成27年の96万9953件より5万2906件増えています。
平成28年の事件数の内訳は、家事調停事件が14万0643件(平成27年は14万0830件)、家事審判事件が83万5822件(平成27年は78万4112件)、人事訴訟が1万0003件(平成27年は1万0338件)でした。
調停事件と人事訴訟は前年と大差ないものの、審判事件が5万件ほど増えています。
その平成28年の審判事件の内訳については未公表ですから、審判事件で実際にどのような事件が増えたのかは分かりません。
審判事件はどういった事件なのかについて、前年・前々年の審判事件(平成27年78万4112件、26年73万0610件)の内訳を見てみます。
審判事件は、当事者が対立した形ではない事件(家事事件手続法別表1の事件。旧甲類審判。27年76万4389件、26年71万0569件)と当事者が対立した形の事件(家事事件手続法別表2の事件。旧乙類審判。27年1万9723件、26年2万0041件)に分けられます。
当事者が対立する形の事件は、子の監護者の指定や婚姻費用の分担などの事件です。27年と26年で件数に大きな差はありません。
当事者対立するわけではない方の事件(家事事件手続法別表1の事件。旧甲類審判)は、平成27年は前年より5万3820件増えています。
相続放棄の申述受理(27年18万9381件、26年18万2089件)、離婚後等の子の氏の変更(27年16万9365件、26年16万5895件)が多いようです。
相続放棄の申述受理は年々増えているようです。
他方、子の氏の変更許可の審判は、近年の家事事件を増加させているということではなさそうです。
高齢者の増加により成年後見人の関係が増えているのでしょうか。
後見開始・取消の審判は、平成27年2万7708件、26年2万7686件とほぼ変わりはありません。
成年後見が開始された人が急増したというわけではないでしょう。
しかし、成年後見人等に対する報酬付与(平成27年10万1088件、平成26年7万6420件)、成年後見人の監督処分(平成27年10万9252件、平成26年9万3658件)、成年後見人等の選任(平成27年1万9971件、平成26年1万4932件)などと、成年後見に関係する審判が増えています。
これは、家族ではなく専門職(弁護士、司法書士等)が成年後見人に選任される事案が増えているから、報酬や監督等についての審判事件が増えているものとも推測されます。
ただ、大阪家庭裁判所は、成年後見事件の関係で、アップアップしているようです。