離婚
同族会社や医療法人の財産
医療法人の場合に、財産分与はどうなるのでしょうか
2世、3世の医師なら、場合によっては、財産が増えていないかも知れません。
しかし、結婚してから、医療法人を創立した場合は、夫婦が共同で築いた財産に他なりません。
医療法人の財産については、住宅や預金や保険ではなく、出資持分(最大出資持分のある医療法人)、基金(基金制度を採用した医療法人)が、最大の財産ということがあります。
私は妻側で(夫が医師)、医療法人の時価の40%を分与するとの和解をしたことがあります。
やはり妻側で(夫が医師)、医療法人の50%の判決をもらったこともあります(高裁で変更の上和解で終わりましたが・・)
医師側(夫が医師、妻が専業主婦の場合)なら、医療法人が特殊なものであること、医療法人の経営に対する妻の貢献がないことを主張して、財産分与の対象ではないと主張しますし、反対側なら、医療法人名義で蓄財していたという事情を主張して、財産分与の主張をすることになります。
弁護士は、立場が違えば、平気で矛盾した主張をするという典型的事例です。
もっとも、財産分与の対象とならないということは現実に難しいでしょうし、かといって、財産分与の対象となったとしても50%対50%は難しいですね。
ただ、離婚裁判になれていない弁護士は、主張を忘れることがあります。夫が医師で医療法人の理事長になっている妻の立場の場合、弁護士さんに忘れていないか確認してください。
なお、財産分与にあたっての、医療法人の価格の算定時期は、別居時ではなく、判決の場合は口頭弁論終結日、和解の場合は和解時になります。
わざと、医療法人の価額を下げるため、自分の報酬を多くしたり、高級外車を購入して、極端に多額の減価償却をした夫がいました。
そこまでやるかと、あきれました。
もっとも、故意に減少させたとして、こちらの有利に判決をしてもらいました。