西野法律事務所（法律問題のことなら大阪 弁護士会・西野法律事務所にご相談下さい)

　本当に円満な同居を求めている場合は「まれ」です。

　離婚したら、生活費が入らなくなるから離婚したくない、というのが本音の場合があります。
　子供の結婚までは離婚したくないというのが本音の場合があります。
　相手が他の人と結婚するのが嫌というのが本音の場合もあります。
　相手が「得」をするのが、ともかく嫌というのが本音の場合があります。

　といわれるのですが、現実に、ジレンマが生じます。

　といいますのは、離婚を求める当事者は、相手の悪口を並べ立てます。
　ここで「徹底的に反論をするかどうか」悩むのです。

　当然、相手の主張には、こちらの依頼者からいわせれば「嘘っぱち」ばかりです。
　こちらが、徹底的に反論をすると、その倍くらいの反論が返ってきて、だんだんエスカレートしていきます。
　裁判官が「これだけ、相手を非難しあっているのだから、元の鞘に収まるはずはない。離婚を検討したら」といってくることもあります。

　通常は、相手方の離婚請求は棄却されるであろうと判断した場合は、えん曲な反論にとどめておくのが賢明です。
　しかし、裁判所が「反論しないのは本当だからだろう」と早合点するおそれがあります。
　また、依頼者から「何で反論してくれないの」と責められることがあります。
　といって、反論したのでは、相手の「思うつぼ」です。

　この場合、弁護士さんの経験がものをいうことが多いです。
　離婚事件に慣れたベテランの弁護士は、堪え忍びます。
　若い弁護士さんは、まず、挑発に乗って墓穴を掘ります。

　反対に、離婚を求める立場なら、わざと「挑発的」な準備書面を書きます。
　慣れていない弁護士さんは、「挑発」にまんまと乗ってくる場合が多いです。中には、しっかりした弁護士さんもおられますが・・・
　老練な弁護士さんは、「挑発」にのってくれません。しかし、中には・・・