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日本振興銀行の破綻
日本振興銀行が、預金保険法74条に基づく経営破綻の申出をしたためで、同行の破綻処理に入った。まずは業務停止で資産の流出などを防ぎ、預金者を保護するための業務停止です。
日本振興銀行は、中小企業専門銀行として発足しましたが、金融庁の検査をめぐる銀行法違反(検査忌避)容疑で、警視庁が木村剛前会長、西野達也前社長らを逮捕しました。
現在は、社外取締役だった小畠晴喜氏が代表取締役になり、自力再建を目指していました。
預金保険機構の管理下でも、日本振興銀行は預金の払戻し、あるいは、契約済みの融資実行など最低限の業務は続けることになります。
ただ、複数の口座を持つ人の預金合計額を算出する「名寄せ」が実施され、保護対象となる預金額を確定する手続きが必要です。
(1)受け皿銀行を探す(2)受け皿銀行が見つかるまで業務を引き継ぐブリッジバンク(承継銀行)の活用(3)清算する という選択肢があります。
現実的には精算でしょう。
日本振興銀行は、弁護士仲間では、非常に評判の悪かった銀行です。
特に、中小企業の破産管財人を多く手がける弁護士には不評で、「銀行という名の商工ローンや」という弁護士さんもいました。
出資法上限の29.2%を超える取引をしていたか、意図的に検査資料となるメールを削除したかは、いずれ裁判で白黒がつくでしょう。
債権の取立の手法については、破綻をした時点で「過去」のものとなるのかも知れません。
日本振興銀行から融資を受けている企業には影響が及ぶ可能性がありますね。
預金保険機構の管理下に入ったあとも、債務の返済状況が安定し回収が確実な「善良かつ健全な借主」は引続き融資を受けられるでしょう。
ただ、借入額は、減ることがあっても増えることはないでしょう。
他の貸手を見つけられないと倒産の危機に陥るかも知れません。