金融・経済 バックナンバー
物価上昇
バブル崩壊後は、しばらく、物価は上がらず、むしろ下がっていたので、利子などなくとも、お金の価値は、むしろ上がっていたので、金利ゼロでも問題ではありませんでした。
ここのところの、石油の値上げ、食料の値上げなどにより、インフレの傾向が出てきました。
インフレには、大別して、コストプッシュインフレとデマンドプルインフレの2種類があります(もちろん、単純に2分化できるものではありません)。
コストプッシュインフレは、賃金や原材料費の高騰が原因となり、生産コスト(賃金、原材料、燃料費)が上昇することによって生じるインフレです。発生原因が「供給サイド」にあるインフレです。
ディマンドプルインフレは、景気の加熱が原因となるなどして、総需要が総供給を超えることによって生じるインフレです。
今回のインフレは、企業も家計も苦しいままで、原油価格・食料価格などの高騰によるインフレですから、典型的なコストプッシュインフレですね。
昭和48年から昭和50年の狂乱物価(覚えておられます?)は、オイルショック(異常な原油価格高騰)にのみ注目が集まりがちですが、変動相場制移行直前の短資流入による過剰流動性、「列島改造ブーム」による過剰な建設需要も大きな要因となっているデマンドプルインフレと考えるべきように思います。。
今回の消費者物価の上昇については、給料が上がれば問題ないんですが、もうけているのは、石油では石油メジャー、石油と穀物では、サブプライム問題で投資の行き場のなくなった投機マネー、つまり、通常投機家という巨額の資金を動かすプロなど(退職金基金、共済基金なども含まれます)が、配当や利子、長期の値上がり益をねらうのではなく、値段をつり上げ、高値での売抜けをねらっているといわれています。
売り抜けず、持ち続けても損はしないような相場展開です。
いずれにせよ、好ましいことではありません。
そういえば、預金金利上がりませんから、これからはタンス預金していると目減りするかも知れません。
しかし、リスクマネーに手を出すほどの危険を冒す必要もないかもしれません。
リスクマネーはリスクもリスクですし、少しのもうけけなら、手数料でもっていかれるからです。