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金融・経済 バックナンバー

法令順守と不景気

法令順守を徹底すると不景気になるなど、実経済に悪影響を及ぼすということがあります。

 一連の耐震偽装事件で建築基準法が改正されました。
 当然の話ですが、今まで比較的簡単に建築確認がおりていたのが、建築確認がおりるのが遅くなってきたのです。予定納期に間に合うという保障もありません。

 建築業者、マンション建設販売業者、不動産仲介業者(建売業者も含む)などは、相当痛い目にあっているようです。いわゆる「不動産が動かない」状態になってしまい、中小はもちろん、大手も大打撃だそうです。
 また、工事の下請業者が打撃を受けていることもわかりやすいですね。
 意外なところでは、住設機器・家具に波及しているそうです。
 新築家屋が建たなければ、新しい家具などは余り売れません。風呂、洗面ユニットなど、また、照明器具なども売れません。
 これらの業者は、資金力の余裕のないところは、倒産していくしかありません。
 あと、銀行等も住宅ローンの件数が少なくなり、収益が下降気味だそうです。今なら、若干、ローンの査定が「ゆるい」かも知れません。

 リスクのある金融商品の説明内容が不十分だとして、金融商品販売法が制定(改正)されました。
 これは、見た「まんま」です。
 やはり、投資信託の売れ行きが「がたっと」落ちているようです。
 証券会社の他、積極的に投資信託販売の売却に乗り出していた銀行も、投資信託販売による利益が落ちています。
 もちろん、投資信託の販売が落ちれば、株価に悪影響を及ぼしますが、株価の低迷は別の要員にあるようです。

 次に、貸金業規制法が改正されました。
 いわゆるグレーゾーンの金利の廃止の実施は少し先の話ですが、大手消費者金融やクレジット会社は、前倒しで、新規貸付金利を利息制限法以下にしていますし、来るべき総量規制(1社50万円までに制限。自らの貸付金額と他の貸金業者の貸付残高の合計額が100万円超となる貸付の制限。また、サラ金・クレジットの合計の総額が年収の3分の1を超える貸付を行ってはいけないという制限です。但し、銀行ローンは信用情報との関係で枠外になる見込みのようです)に備え、与信枠の再検討を始めています。
 これから、わずかの期間ですが、与信枠縮小による法的債務整理が見込まれます。与信額縮小による法的債務整理の事案は「長期間」「計画的」に「利用」してきた多重債務者ですから、過払金返還が多額であることが見込まれ、破産ではなく、任意整理に向かうことが多くなるでしょう。
 ちなみに、銀行は、サラ金会社を子会社化、あるいはグループ会社化していますから、サラ金会社の収益縮小にともない、収益構造は悪くなっています。


 建築基準法、金融商品販売法、貸金業法を「規制3K法」というそうですが、どれも銀行の収益圧迫の要因となります。


 なお、食品偽装などは大きな話題とはなりましたが、景気に悪影響は与えていないようです。

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