金融・経済 バックナンバー
為替
最近の為替レートを計算してくれるサイトは多々あるのですが、古くまでフォローしてくれるサイトは多くありません。
「DATABASE RETRIEVAL SYSTEM 」 というサイトをみつけました。
私は、1982年(昭和57年)6月から1984年(昭和59年)6月まで、ドイツに留学していました。裁判所からの留学生の慣行で、最後の1ヶ月は北アメリカを周遊(私は、ワシントンDC、ニューヨーク、ボストン、トロント、カルガリー、サンフランシスコ)して帰国しましたから、ドイツ出発は1984年(昭和59年)5月でした。その間のマルク・円レートは以下のとおりです。
JPY/DEM
Jun 1982 103.771
Jul 1982 103.414
Aug 1982 104.396
Sep 1982 105.078
Oct 1982 107.269
Nov 1982 103.368
Dec 1982 99.999
Jan 1983 97.409
Feb 1983 97.251
Mar 1983 98.823
Apr 1983 97.452
May 1983 95.179
Jun 1983 94.167
Jul 1983 92.820
Aug 1983 91.442
Sep 1983 90.834
Oct 1983 89.463
Nov 1983 87.554
Dec 1983 85.261
Jan 1984 83.175
Feb 1984 86.603
Mar 1984 86.737
Apr 1984 85.075
May 1984 83.722
107円から83円、2年で23%円高マルク安になっています。
理由は比較的はっきりしていて、当時、東ドイツにSS20という西欧全体を射程におさめる短距離核ミサイルを配備し、アメリカが対抗して、モスクワも射程におさめるPershingⅡという巡航ミサイルを西ドイツに配備するなど、国際緊張が高まったからです。
留学生の中でも、比較的リッチな人は、最初に多額の円をマルクにかえていましたから損をし、最小限度の円しかかえなかった人は得をしました。
なお、給料は振込制で、月給・ボーナスの他、在外勤務手当が1日9600円(2年間毎日。年間350万円。非課税)つきましたし、2年目からは住民税がなくなるので、普通に生活している留学生は「余りかえって」きます。
私も、途中から、日本の預金口座に円での振込みを依頼した記憶があります。
なお、1Euro= 1.95583マルクですから、おおよそ1ユーロは2マルクです。
1ユーロが214円になっても不思議ではないかも知れません。
なお、留学をはじめた当時、1ポンドは440円、1ドルは256円でした。
今は、1ポンド200円、1ドル100円とずいぶん円高になりました。
マルクが存在していたとすると、1マルク80円です。
ただ、今、留学する人が為替の関係で有利かというと、アメリカもイギリスもドイツも、インフレが進行していますから(日本は失われた10年がありました)、必ずしもそうとは限りません。