外国事情 バックナンバー1/2
ドイツの再統一
平成22年10月3日で20周年を迎えたことになります。
なお、10月3日は「ドイツ統一の日」(Tag der Deutschen Einheit)で祝日です。
マルク硬貨の側面には、「EINIGKEIT」(統一)「RECHT」(正義)「FREIHEIT 」(自由)の文字が刻まれていましたし、現在ドイツで製造されるコインに、同じ文字が刻まれているのがあります。
なお、「ドイツ統一」といいますと、プロイセン王国が主導したドイツ帝国の成立(1871年1月18日)と混同されるおそれがありますから、「東西ドイツ統一」「ドイツ再統一」と呼ぶと誤解がありません。
東ドイツの県が廃止され州が設置され、5州(ベルリン市=州と同格を含む)の西ドイツ加盟が決議され、さらに、西ドイツ基本法23条に基づき、東ドイツの州が西ドイツ(ドイツ連邦共和国)に加入したのが平成2年10月3日です。
東ドイツ地域の各州がドイツ連邦共和国に「加入」したにすぎませんから、従前の法体系に変化はありません。もちろん、東ドイツ地域の各州は変わっています。
ドイツ再統一で、法体系が「さぞかし変わった」と思われる方がおられるかも知れませんが、そうではありません。
ただ、20年経過しても、しかし、「古い諸州(旧西独)」と「新しい諸州(旧東独)」という言い方が厳然として存在していて、東西の格差は残っています。
1人あたりGDPの差は、旧東ドイツはまだ旧西ドイツの70%程度で、約12%の失業率も旧西ドイツの倍近いとの格差があります。
分断期間は約40年です。
共産主義体制下で発展が大きく遅れた旧東地域の復興のため膨大な費用がつぎ込まれたました。
旧西ドイツの人は「旧東のせいで自分たちの負担が重くなった」と感じいてます。
旧東ドイツの人は、経済の遅れ、失業率の高さを恨んでいます。
統一後生まれた人が20歳(ちなみに、ドイツの「成人」は18歳です)になったところですから、仕方がないでしょうね。
旧東ドイツの諸州は、共産主義政党、極右政党が議席を得ています。
さあ、韓国、北朝鮮はどうでしょう。
旧西ドイツは、当時、日米に次ぐGDP世界3位の先進国でした。
旧東ドイツは、共産圏で、最も経済が発展していた国でした。
でも、20年経過しても、格差が厳然たる姿で残っています。
何か、良い方策でもあるのでしょうか。