外国事情 バックナンバー1/2
コンパートメント式の列車
長距離列車には「オープンサロン」タイプと「コンパートメント」タイプがあります。
「オープンサロン」とは、新幹線(レールスター等を除きます)のような壁の仕切りのない車両です。一般的に、進行方向と同方向の通路をはさんで、両側に席があります。
日本では、カシオペアなど夜行列車個室寝台など、ごく一部です。
「コンパートメント」とは、部屋タイプでドアを開けて入室します。
進行方向と90度ずれた方向の通路をはさんで、両側に席があります。
進行方向に向かって乗客全員が前を向くということはなく、半分の乗客は、進行方向と逆に座るということになります。
ヨーロッパを走る長距離列車に多くみられます。
馬車の伝統があるといわれていますし、ロンドンのタクシー(オースティン)も、この方式ですね。
ヨーロッパの人は、進行方向に背を向けて平気なのかといいますと、ある意味「イエス」、ある意味「ノー」です。
コンパートメントは進行方向に向かう席3席、進行方向に背を向ける席3席ですが、自由席(予約が必須なTGVなどを除き、あまり予約はされません)は、大抵、進行方向に向かう席から先に埋まっていきます。
また、ヨーロッパの長距離列車にもオープンサロン方式が増えています。座席が回転式ではなく固定式ですから、半数の席が進行方向に向かって座り、半数の席が進行方向に背を向けて座ります。やはり、進行方向に向かう席がから埋まっていきます。
だんだん、ヨーロッパの長距離列車も、「コンパートメント」から「オープンサロン」が多数派になってきました。
もちろん、「コンパートメント」と「オープンサロン」の双方の車両をつないでいる車両編成が多数ですが、中には、1車両の中に、「コンパートメント」と「オープンサロン」の双方あるという車両もあります。