トリビア バックナンバー 2/2
異字体
コンピュータで扱うデータ、文字に統一規格が必要です。
機種に依存しない文字で書かないと、文字化けする可能性があります。
機種に依存しない文字とは「半角英数・記号(一部)」「全角英数・記号(一部)」「全角ひらがな・カタカナ」「ギリシャ文字」「キリル文字」「ほぼ全ての漢字」となっています。
問題は、人名などの漢字です。
漢字のスタンダードといえば、中国清朝の「康熙字典」ですが、収録文字数は4万9030文字あるそうです。
この一部だけが統一規格にはいっています。
旧字体は、たいてい統一規格に入っているようですが、「異字体」と呼ばれる文字ははいっていないものがあります。
典型的なものとしては、「高」の異字体の「はしご高」、「崎」の異字体の「右上が立になっている崎」、くさかんむりが「++」となっている各文字などがあります。
人名ですから、こだわる人はこだわります。
コンピュータ時代以前はよかったのでしょうが、こだわる人が、自分の戸籍の字にしてくれという注文を出すと、一応従うのが礼儀です。
「外字」をつくったり、空白にしておいて手書きで書き入れたりするのですが、機種が変われば、文字化けしたり、「・」になったり、「空白」になったりし、また、空白にしておくと、手書きの書き入れを忘れるということになりますから、かえって失礼ですし、非効率的です。
すべて異字体の「高崎英」さんなどは、「・・・」になったり、「 」になったりする可能性があります。
あまり「こだわり」はよくないと思います。
例え自分の個人名であっても「統一規格の文字でもいいよ」と「おうよう」な態度をとるのが賢明と思います。
なお「自分の名前の漢字がすべて統一規格に入っているからそういうことを言えるのだ。自分の名前が統一規格に入っていない人の気になって考えろ」という人があるかも知れません。
実は、私の「西」も、戸籍では異字体です。4画と5画が直線で、6画にくっついています(「価」から「にんべん」を取った字です)。
しかし、これまで、一度も、戸籍の漢字にしてほしいという要求をしたことはありません。「統一規格の文字」にするのが合理的と考えているからです。
あと、私の戸籍をたどっていくと(現存する戸籍・原戸籍・除籍をすべて取り寄せたことがあります。一番最初の戸籍から、現在の戸籍まで同一の本籍地で、現在の本家の自宅所在地です。「上南部村」「南部川村」「みなべ町」と行政区画は変わっていますが・・・)、異字体の「西」と、統一規格の「西」が、混在していました。現在の戸籍を除いて、すべて手書きですから、戸籍担当吏員の好みでかわったんでしょうね。
御蔭様で、私の場合は、文字化けしたり、「・」になったり、「空白」になったりという「被害」を受けていません。