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医療のバックナンバー

間質性肺炎

また、最高裁判所判事が死亡されました。
 近藤崇晴最高裁判所判事は、キャリア裁判官で、平成22年11月21日、間質性肺炎が死因です。

平成21年12月17日に肺炎で死亡された、やはりキャリア裁判官である涌井紀夫最高裁判所判事に続いてということになります。

 やはり、最高裁判所判事というのは激職なのでしょうね。

 ところで、最高裁判所のホームページに「平成22年10月19日・詐害行為取消等請求事件判決」が掲載されていました。

 判決文をご覧下さい。
「 裁判長裁判官 那須弘平 裁判官 田原睦夫 裁判官 近藤崇晴 裁判官 岡部喜代子 裁判官大谷剛彦」となっています。

 つまり、近藤崇晴最高裁判所判事は、平成22年10月19日言渡しの判決に署名しています。
 判決には、作成年月日が記載されていません。書記官が、言渡しの日を記載するだけです。ですから、いつ判決が作成されたのかまでわかりません。

 通常、病気療養が長かった場合、「裁判官近藤崇は『差支えのため』署名押印することができない」と記載されます。判決に署名して、1ヶ月+αで、元気に仕事をしていた人が、間質性肺炎で死亡するものなのでしょうか。

 間質性肺炎は、肺の間質組織に炎症を来す疾患の総称で、治療の困難な難病です。
 通常、罹患すると治癒率は低いです。有名なところでは、美空ひばりが、間質性肺炎で死亡しています。

 症状は以下のものです。
 1 肺コンプライアンスの低下
 「肺が硬くなる」といわれるもので、肺の支持組織が炎症を起こして肥厚することで、肺の膨張・収縮が妨げられます。また、肺活量が低下し、空気の交換速度も遅くなります。
 2 ガス交換能の低下
  間質組織の肥厚により毛細血管と肺胞が引き離されます。その結果、血管と肺胞の間でのガス交換効率が低下し、特に酸素の拡散が強く妨げられることになります。

 間質性肺炎といえば、慢性のタイプが多く、これといった治療方法はありませんから、だんだん呼吸困難になり、呼吸困難と闘いながら死亡するというイメージがあります。
 発見から、5年で生存率50%、10年で生存率20%程度と言われています。

 しかし、「進行性で治療に抵抗性のものでは数週間で死に至るものもある」「慢性的に進行した場合は10年以上生存することも多い」と記載されています。

 とかく、間質性肺炎は、治療法がないなか、苦しみながら死んでいく病気というイメージがありますが、元気に仕事をしていて、1ヶ月+αで死亡というのであれば、苦しまない分だけ「まし」だったのかも知れません。

 心よりお悔やみ申上げます。

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