本文へ移動

医療のバックナンバー

ホメオパシー

新生児が脳内出血で死亡したり、身体障害者になることがあります。

 ビタミンK不足により、死亡することがあります。母乳にはあまり含まれず、乳児は不足しがちだからです。

 日本小児科学会は、新生児の脳出血などを予防するためのビタミンK投与について、「生後1カ月までに3回」とする現在の指針を「生後3カ月まで週1回」と改定しました。
 新投与法では発症例がないことが分かったためで、助産院や自宅で出産した場合でも適用するよう求めています。

 ビタミンK投与による害(副作用)はありませんから、全例投与しても問題ありません。

 平成22年7月、生後2か月の女児が死亡したのは、出生後の投与が常識になっているビタミンKを与えなかったためビタミンK欠乏性出血症になったことが原因として、母親が山口市の助産師(旧・助産婦)を相手取り、損害賠償請求訴訟を山口地裁に起こしていることがわかりました。

 助産師は、ビタミンKの代わりに「自然治癒力を促す」という「錠剤」(レメディ)を与えていました。
 「錠剤」(レメディ)は、助産師が所属する自然療法普及の団体が推奨するものでした。

 ホメオパシー(Homeopathy)とは、病気と似た症状を起こす植物や鉱物を何度も水で薄めて「かくはん」し、この水を砂糖玉にしみこませた錠剤(レメディ)を服用して自然治癒力を引き出し、病気を治すという治療法です。

 通常、ホメオパシーの科学的根拠はなく、プラセボ(偽薬)効果以上の効果は無いと考えられています。

 プラセボ(偽薬)も、一定の治療効果はあります。
 「イワシの頭も信心から」ですね。
 ですから、新薬開発にあたっては、二重盲検臨床試験で、本当に薬効があるかどうかを検査します。

 山口市の助産師の裁判で、ホメオパシー(Homeopathy)についての主張がなされるでしょう。
 さあ、どういう判決になるかどうか興味のあるところです。
TOPへ戻る