医療のバックナンバー
一病息災
「一病息災」という言葉があります。
「無病息災」に対する言葉です。「無病息災」とは、全く病気をせずに健康であることをいいます。
「一病息災」は、全く病気をしない「無病」よりも、一つくらい持病があった方が、かえって健康に気遣うので、より健康長寿を期待できるというものです。
もちろん「かえって健康に気遣う」ということもあるでしょう。
ただ、それだけでしょうか。
「健康に注意する」ということですが、ある程度の病気があれば、その病気が軽快しているのか、そのままなのか、重くなっているのかなど、定期的に病院にて検査を受けることになります。
定期検査の際、血液検査や生化学検査、CT、MRIなどの画像診断により、「一病」以外の重篤な病気が早期発見できる場合があります。
早期に発見できれば、早期治療により治癒することもあるでしょう。
「一病」がなければ、検診を受けることなく、「早期発見」を見逃して、病気が重篤化するかもしれません。
まったく無病の人、早期癌で完全に癌細胞が取切れた人、他の条件が同じなら(といっても、実際は考えることが難しいでしょうね)、どちらが長生きするでしょうか。
一定間隔で、定期的に検診を受ける後者が、検診による他の病気の発見という点では有利でしょうから、かえって長生きするかも知れません。