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2012年バックナンバー

卵は1つのかごに盛るな

「卵は1つのかごに盛るな」という格言があります。

 以前「オール電化住宅」というエントリーを書きました。

 卵を1つの「かご」に盛ると、その「かご」を落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれませんが、複数の「かご」に分けて卵を盛っておけば、そのうちの1つの「かご」を落とし「かご」の卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむという、自分の財産を、特定の商品だけに投資をするのではなく、複数の商品に投資を行い、リスクを分散させた方がよいという教えです。

 女性弁護士が増加しています。
 配偶者も弁護士という例が多くあります。

 勤務弁護士として夫婦そろっていう同じ事務所という例はあまりなく(経営者の息子と嫁、娘と婿という例はあります)、大抵、イソ弁先は別です。

 いよいよ独立や共同経営者になるとき、夫婦が共同事務所をつくって仕事をするタイプと、夫婦が別々の法律事務所で執務する(共同経営者になったり独立して事務所をつくったりする)というタイプに別れます。

 昔から、両タイプあったのですが、その昔は、夫婦が共同事務所をつくって仕事をするという例が圧倒的に多かったです。
 夫婦が別々の法律事務所で執務する場合は「不仲説」がでたりしていました。

 近年、夫婦が別々の法律事務所で執務する場合が少し増えてきているような気がします。

勤務先と自宅と「ずっと」同じでは「息がつまる」という方が増えたのではなさそうです。
 「卵はひとつのかごに盛るな」という格言にしたがっているのですね。つまりリスク分散です。

 昔は、弁護士数も少なく、「誠実」に「事件」を処理するという基本さえ守っていれば、独立当初はきびしくても、しばらくすると、経営は、ほぼ間違いなく安定してきていました。

 弁護士がこれだけ増えてきますと、「誠実」に「事件」を処理していたからといって、経営が安定するという保障は全くありません。
 夫婦共同の事務所の経営がうまくいかなくなったら、収入が途絶えてしまう恐れがあります。
 「卵を1つのかごに盛ると、そのかごを落とした場合には、全部の卵が割れる」つまり、生活が立ちゆかなくなく恐れがあります。

 夫婦が別々の法律事務所で執務するようにすれば、夫婦の片方の事務所の経営がうまくいかなくなったとしても、夫婦のもう片方の事務所からの収入で生活できるという理屈です。

 もともとは、弁護士1人の収入が、家族全員の生活ができるだけの金額ありますから、夫婦のもう片方が0になっても大丈夫で、双方の経営がうまくいく必要がありません。

 合理的で申し分ありません。
 ただ、弁護士も経営に対する危機意識が高くなっている当然の帰結ですね。

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