2012年バックナンバー
アメリカと沖縄県の尖閣諸島
「アメリカは領有権に関して特定の立場をとらないが、尖閣諸島は日本の施政下にあり、第三国の一方的な行為によってこの認識が変わることはない」と明記され、「日本の施政権が及ぶ地域に対して、アメリカは日米安全保障条約の第5条に基づき、防衛の義務がある」としています。
さらに「尖閣諸島海域を含む東シナ海を『アジア太平洋すべての国に利益をもたらす重要なシーレーン(海上交通路)』と位置づけ、『航行の自由』を守ることが米国の国益にかなう」としています。
日米安保条約第5条の第1段落は以下のとおりです。
「Each Party recognizes that an armed attack against either Party in the territories under the administration of Japan would be dangerous to its own peace and safety and declares that it would act to meet the common danger in accordance with its constitutional provisions and processes. 」
アメリカ政府が、沖縄県の尖閣諸島が「in the territories under the administration of Japan」に該当することを確認していて、アメリカ議会としても、この立場を明確に支持するという趣旨です。
もちろん、仮に、沖縄県の尖閣諸島が、中国からの攻撃により、具体的な戦闘状態になった後に、アメリカ議会の承認がない限り、アメリカは戦争はできません。
ただ、日本にとっては「大きい」抑止力ですね。
中国の国防軍と日本の自衛隊のみとが、沖縄県の尖閣諸島をめぐって戦闘状態になったとき、どちらが勝つかはわかりませんが、中国は、いざとなれば、核弾頭ミサイルで日本に脅しをかけられます。
アメリカ軍が加わるとなると、中国も考えるでしょう。
中国は、ロシアとの国境紛争からわかるように、自分より軍事力が強い国には何もしません。自分より、軍事力が弱いとなると、好き放題します。
中国は海洋戦略として太平洋進出を狙っていますが、上記の地図からすると、沖縄(尖閣諸島を含む)と台湾が「蓋をしている」ということがわかります。
ちなみに、中国は、朝鮮半島の東、日本海側に領土も軍港もありません。
「国防権限法案」を可決するのは、アメリカの国益にかなうということですね。