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2012年バックナンバー

石の上にも3年

平成24年10月31日、厚生労働省は、大学卒業後に正社員などとして入社した後、3年以内に離職した人について初めて産業別の割合を発表しました。

 「厚生労働省若者雇用関連データ」をご覧下さい。

 平成21年3月に卒業後、新しく就職した大学生は42万9019人で、そのうち3年以内に離職したのは、28.8%に当たる12万3582人だそうです。

 産業別でみると、3年以内の離職率が最も高かったのは、学習塾講師や私立学校の教員などの「教育、学習支援業」で48.8%。「宿泊業、飲食サービス業」が48.5%です。

 一方、離職率が低かったのは、「電気、ガス、水道業など」の7.4%、「製造業」の15.6%などでした。

 ある試算によると、正社員は2億3000万円、非正規の生涯賃金7600万円と3倍近い賃金差が出るそうです。


 なぜ、大学卒業後に正社員などが辞めていくのでしょうか。

 1つ目の理由は「激務」といわれています。

 会社によってはサービス残業当たり前で、終電まで働かないと仕事が処理できないといった過酷な労働を強いるところも存在します。
 最初はやる気になっていた学生も休みのない環境で肉体的にも精神的にも披露していきます。
 その昔は、会社や仕事が生き甲斐という「企業戦士」「モウレツ社員」人も多かったのですが、今は、そんな時代ではないかもしれません。

 2つ目の理由は「人間関係」です。
 就職活動の時点では、会社の雰囲気であったり、職場の人間関係などは入社してみないとわかりません。
 職場の人間関係に疲れたりして仕事を続けれれない人が多く出てきます。
 離職の一番の原因はこの「人間関係」とも言われています。

 3つ目の理由は「仕事のミスマッチ」です。
 就職時には、具体的な仕事内容が決まっていない総合職採用が背景にあります。
 就職活動の時は、事務職のつもりだったのに、実際入ってみたら営業職だったなど、自分のやりたい仕事ができない場合が多くこれが離職の原因だと考えられます。
 企業側も、専門職採用の努力をしていますが、文系はまだまだ総合職採用が多いですね。

 
 ちなみに「教育、学習支援業」「宿泊業、飲食サービス業」に離職率が多いということはわかりますね。
 もともと「正社員」といっても、どこか「非正規社員」と仕事の内容は変わらないという印象があります。
 仕事はきついでしょうし、人間関係も複雑です。

 離職率が低いのが「電気、ガス、水道業など」「製造業」というのも予想どおりです。
 「電気、ガス、水道業など」は、給与にも恵まれていますし、労働時間も知れています。
 「製造業」は、入社してから「こんなはずではなかった」と思う社員が少ないでしょう。


 退職して、いい仕事に就けるならともかく、本来は「石の上にも3年」といって頑張るのがよいと思いますが・・
 まあ、うつ病にかかったり、自殺するよりはいいでしょうが・・

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