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2012年バックナンバー

大地震

平成24年8月29日、内閣府の有識者検討会は29日、駿河湾から日向灘の「南海トラフ」を震源域とする最大級の地震が起きた場合、関東から九州・沖縄の30都府県で、最大32万3000人が死亡するとの被害想定を公表しました。

 被害想定は、地震のタイプや発生時間、風の強さ、早めに避難する人の割合など条件の異なる96のケースについて推計。在宅率が高い冬の深夜に東海地方を中心に大津波が襲うケースで死者が最多になるとしています。

 昼間より夜の方が、津波が来るというニュースがあっても、避難することは難しいですし、春夏秋より冬の方が「外に出るのはおっくうだ」となりがちです。
 地震が強く感じられれば「避難しなければならない」という気持ちになるでしょうが、震源地より離れていて、弱く感じられれば、「無理に避難しなくても」という気持ちになりがちです。

 トラフ(Trough)とは、 細長い海底盆地で深さが6000mより浅いものをいい、それ以上深ければ「海溝」と呼ばれます。

 南海トラフは、活発で大規模な活断層で、日本側のプレートの下に、太平洋側のプレートが沈みこんんでいるため、なにかのきっかけによる反動で、大地震をおこします。
 中途半端な地震ではなく、東海地震、東南海地震、南海地震などのマグニチュード8クラスの巨大地震です。

 最大32万3000人が死亡するという内訳ですが、都府県別にみると、静岡県が10万9000人と最多で、和歌山県が8万人で続き、高知、三重、宮崎の各県で4万人と予測されています。
 津波による死者が約70%という試算です。

 ちなみに静岡県民は、約373万人ですから、10万9000人の死者は、2.9%であるのに対し、和歌山県民は約99万人ですから、8万人の死者は、8.0%にもなります。

 和歌山県は、広いように見えますが、山が切り立っているため、人が住めるのは、海岸部分と、紀ノ川などの流域の平野部分に限られます。
 魚の骨を、上下二つに割って、その「骨」の部分に、人が住んでいるといえばわかりやすいかも知れません。

 当然、地震や津波が来れば、人的被害が大きくなります。
 海沿いと、大きな川の流域の平野に人が住んでいるのですから。

 和歌山県は、原子力発電所から、もっとも遠い県の一つです。福井県の原子力発電所が一番近いですから、和歌山県に被害が及ぶときは、北にある大阪府は、もっと大きな被害を受けます。

 この地図を見る限り、浜岡原子力発電所を除いて、概略、「南海トラフ」を震源域とする地震の影響の少ないところに原子力発電所があることがわかります。
 そこまで考えて立地したのでしょうか?
 偶然でしょうね。
 ただ、地震被害が大きいとわかっている府県は、原子力発電所をつくらせなかった点は否めないと思います。

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