2012年バックナンバー
生活保護費抑制
平成25年度予算の概算要求基準で「生活保護の見直し」を明記しました。
一部地域では保護費の水準が最低賃金を上回り就労意欲を損なう面があるため、保護費水準そのものも引下げを検討しています。
なお、自由民主党の主張は、10%の引下げです。
医療扶助の抑制などに取組を検討しています。
「安い後発医薬品の利用促進などで保護費の半分を占める医療扶助の抑制などに取組む」ということについては、若干の説明が必要かも知れません。
生活保護受給者は、医療保護を受け、自己負担なしで受診できます。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)は、開発から20年ないし25年経過して医薬品の特許期間が切れたあとで、その薬と同じ有効成分で作られた後発の医薬品のことをいい、価格も当然安くなります。
生活保護受給者と非生活保護受給者とを比較すると、生活保護受給者の方が、ジェネリック医薬品の利用率が低く、先発医薬品の利用率が高いという統計が出ています。
生活保護を受ける前は、価格が安いジェネリック医薬品を利用していた患者が、「どうせタダ」ならということで、高価な先発医薬品に変更することがありますし、生活保護受給以降に病気に罹患した場合も、「どうせタダ」だから、高価な先発医薬品を選ぶということですね。
ちなみに、医療費については、生活保護受給者よりむしろ医者・薬剤師が悪いという意見もあります。
生活保護受給者の医療費の負担がないことをいいことに、悪質な過剰診療を行う医療機関があります。
レセプト(診療報酬明細書)を電子化して、1件当たりの平均点数が高い順にソートすしてチェックするとか、原則として、医療機関を指定して、指定を受けない(悪質な過剰診療を行う医療機関を指定しません)でないと生活保護受給者を診察できない制度にすることも検討されています。電子化は、平成24年末までが検討されています。
もちろん、救急で診察する場合などは除きます。
なお、その他、食費や被服費などの生活扶助(食料回数券=フードスタンプ等)、住宅扶助、教育扶助等の現物給付を進める必要もあります。
生活保護費支給日に、パチンコ店が繁盛していたのでは話になりません。
ケースワーカー業務の改善、調査権限の強化で不正受給を防止することも検討されなければなりません。生活保護者を支援するケースワーカーの業務が繁忙化し、不正受給や生活保護の長期化を招いています。
ケースワーカーを民間に委託し、ケースワーカーを稼働層支援に集中させることを進めることが考えられます。
駐車禁止の取り締まり強化と同じ発想です。