2012年バックナンバー
バスのシートベルト
茨城県つくば市の交差点で、平成24年年3月、送迎中の幼稚園バスが乗用車と出合い頭に衝突し、横転する事故があっり、園児16人が頭などにけがをし、うち1人が重傷を負いました。
国土交通省によりますと、平成15年から平成20年、幼稚園バスに乗っていてけがをした園児らは計569人で、ほとんどは軽傷で、前の座席などに顔や頭をぶつけていたというものです。
本当に軽微なものは統計にあがらないでしょうから、もっと多いと思います。
幼稚園バスは、道路運送車両法の省令が定める「幼児専用車」が一般的です。
シートベルトの設置義務はありません。
火災や事故の際、園児もが自分で外せなくて脱出に支障がでる恐れがあることや、転げ落ちにくいように椅子が小さくなっていること、引率の先生も同乗していることが主な理由です。
また、年少・年中・年長組が一緒に乗りますから、子どもの体格差は大きく、国土交通省が安全性を確認できたベルトは皆無です。
国土交通省が進める検討会議では、シートベルト以外の安全策も議論されています。
平成24年6月26日の会議で国土交通省は、以下の対策を協議しています。
前の座席の背面に衝撃吸収クッションを設置する
座席の背を高くする
席と席の間を狭くする
ただ、背もたれを高くすると衝撃を受けても車外に投げ出される危険性は減りますが、同乗する大人の目が届きにくくなり、前の座席との間を狭くすれば、ぶつかる際の勢いは小さくなりますが、当然ぶつかりやすくなります。
前の座席の背面にクッションを設置などは全く未開発です。
ということで、シートベルト導入ということになるのでしょうが、かえて危険かも知れません。
どうせ、高速道路を走るわけでもないでしょうし、幼稚園バスはゆっくり走っています。
シートベルトは必要ないでしょう。
ちなみに、私も、昭和34、5年ころ、幼稚園バスで幼稚園に通っていました。
今は懐かしい、ボンネットバス(今は、SLと同じように観光名物バスとなっています)でした。
もっとも、幼稚園に通っていない小学生が、クラスに1人、2人いましたね。
義務ではありませんし、経済的理由だったのでしょう。
ただ、遅くとも、昭和34、5年ころから、ほぼ全員幼稚園に通っていたことから、日本経済は、それほど貧しかったわけではないことがわかります。
もっとも、小学校給食に「脱脂粉乳」と「クジラのコハクあげ」がでていたところをみると、やっぱり貧しかったのでしょうか。