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2012年バックナンバー

大阪市の敬老パス

橋下大阪市長は、70歳以上の市民が市営地下鉄・バスを無料で利用できる敬老パス制度について、「電車、地下鉄に乗るのに無料はよくない」と、無料化の撤廃を決めました。

 昔は、日本の他の市にも、似たような制度があったようなのですが、残っているのは大阪市だけです。

 敬老パスは現在、70歳以上の市民約34万人が利用し、市の財政負担は約84億円にのぼります。

 橋下大阪市長は、平成24年6月15日、敬老パス制度の見直しについて、大阪維新の会、公明党の両市議団と最終合意しました。
 具体的な内容は、全区間一律で運賃のうち50円を自己負担とし、年間3000円の更新料を求めるというものです。

 案では、3000円の更新料負担を来年度から先行してスタートし、運賃についてシステム改修が必要なため、50円の自己負担は平成26年度から求める予定です。
 市営地下鉄の運賃は200円から360円で、新制度が導入されれば、敬老パス利用者の負担額はいずれも50円で、200円区間なら自己負担分は25%(75%引)、360円区間なら同14%(86%引)となります。

 見直しに伴い、導入には改札機などのシステム改修に数十億円の費用がかかりますが、市の負担は毎年30億円強減る見込みです。

 現実に、朝夕のラッシュ時はともかく、昼間などバスに乗ると「一体、乗客のうちの何人がバス代を払っているのだろう」と思うことがよくあります。
 70歳以上の高齢者が、家に閉じこもるのではなく、気楽に、地下鉄やバスを利用して外出することができるという制度は悪くありません。
 健康年齢の上昇も期待できるでしょう。

 ただ、1円の負担もないというのは「やりすぎ」でしょう。
70歳以上の高齢者は、通常年金受給者で働いて納税をしている人の方が少ないかと思います。

 ちなみに、ドイツなどでは、ドイツ鉄道、バスや市電などの公共交通機関は、65歳以上の年齢の人(年金受給者。もっとも、67歳まで段階的に引上げが決まっています)は、子供料金と同じ、つまり、半額です。

 なぜ「半額」かということですが、子供料金が半額で、自動券売機に「半額」のボタンがあるということでしょうか。

 大阪市の場合も、半額負担ということになれば、システム変更の必要はなく、子供料金と同じと言うことで簡単なのですが、「大阪市民限定」「70歳以上」ということでの「大盤振る舞い」ということでしょう。
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