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2012年バックナンバー

国民年金と厚生年金の積立金

 学習院大学の鈴木亘教授のブログに興味深い内容のものがありました。

 なぜ、政府が、年金制度の改正を矢継ぎばやに打ちだすかという理由です。

1 現在65歳に引き上げられつつある年金の支給開始年齢をさらに68歳から70歳まで引き上げる案
2 週20時間以上働くパート労働者を厚生年金に加入させ保険料を徴収する案
3 夫婦による厚生年金の分割案

 1と2について、説明の必要はないでしょう。
 3については、夫婦による厚生年金の分割をしてしまうと、遺族年金の給付削減となりますから、加入者に損という確率が高いです。

「厚生年金と国民年金の積立金の将来予測」をご覧下さい。

 自民公明政権時代の「100年安心プラン」は、西暦2100年まで、年金積立金は枯渇しないというもので、引用されたURLに掲載されている点線の折れ線グラフは、積立金の運用利回りを今後100年近くにわたり4.1%もの高利率に設定されていて現実的ではありません。

 引用されたURLに掲載されている実線グラフは、名目利子率2.1%、名目賃金上昇率1.5%、物価上昇率1.0%などの経済書条件、基礎年金の国庫負担引上げ分(3分の1から2分の1へ)の財源は、平成24年度以降、確保されている(年金積立金から出さない)という前提です。

 厚生年金積立金は平成45年度に、国民年金積立金は平成49年度に枯渇するという計算がされています。

 現実としても平成18年度に厚生年金と国民年金をあわせて149.1兆円だった積立金は、平成23年度末に112.9兆円まで減少しています。
 厚生年金と国民年金の合計の積立金は、毎年5兆円から6兆円ずつ取崩されていました、平成23年度は、9兆円取崩されています。

 積立金の減少は、基本的には、現役世代からの保険料の徴収額より、年金生活世代への給付額が多いことから生じます。

 積立金がありますから、現役世代からの保険料の徴収額が少なくても、年金生活世代への給付を行うことができます。
 積立金が枯渇すれば、税金で補填しない限り、現役世代からの保険料の徴収額=年金生活世代への給付にならざるをえません。

 その時には、年金受給世代を支える現役世代の人数が「激減」していますから、現役世代は保険料を多く取られ、年金受給世代は年金額が減らざるを得ませんね。

 国民年金積立金が平成49年度に枯渇するということは、私が81歳のときです。
 厚生年金は、いずれ公務員の共済年金と統合されるでしょう。
 共済年金が、平成45年度に枯渇するということは、私が77際の時です。

 もっとも、私の計算は甘いと思います。
 それまでに「団塊の世代」が食いつぶしてしまうか、受給途中から「団塊の世代」もろともに、大削減をくらいそうですね。
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