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2012年バックナンバー

市の名前売ります

平成24年3月21日、大阪府泉佐野市が、自治体名の命名権(naming rights。企業から広告料をもらう代わりに市の名称を企業名や商品名に変更する)を売却に乗出す方針を発表しました。

 泉佐野市といっても「ぴん」と来ない人もあるでしょうが、大阪府の南の方、関西国際空港の向かい側にある市といえばわかりやすいですね。

 ちなみに、市の名称変更は、大阪府知事の同意と市議会過半数の賛成で可能だそうですが、自治体名の命名権が売却されるケースは総務省でも「聞いたことがない」(市町村体制整備課)ということです。
 愛知県豊田市や奈良県天理市など、名称の変更はありますが、命名権の売却ではありません。

 市の命名権の売却の理由は簡単。財政破綻です。

 平成21年度には「早期健全化団体」に指定されています。
 夕張市のように、国の管理下に置かれる「財政再生団体」の一歩手前で、市は今後、財政健全化計画の策定を義務づけられています。

 泉佐野市は、平成6年の関西国際空港開港前後に、関西国際空港により経済効果が期待できると見込んで「大投資」をしました。

 大阪府は、関西国際空港と連絡橋で結ばれる海岸を「りんくうタウン」と名付けて埋立て、民間に分譲する計画を立てました。
 時代はバブル経済、大企業が土地確保に動きました。
 計画通り進めば、高層ビル群がそびえ立つ国際都市が誕生するはずでした。
 泉佐野市は、市立病院建替え、市民ホール建設、宅地造成、下水道整備などを進めましたが、企業誘致が全く進みませんでした。

 「りんくうゲートタワービル」という超高層ビルがあります。別名「バブルの塔」、 横浜ランドマークタワーにつぎ日本で2番目の高さです。
 総工費は約660億円で、「インテリジェントオフィス」(賃貸事務所)・同時通訳設備を持った「国際会議場」や「ホテル」などで構成されています。
 大阪府の第三セクターの運営会社が赤字で会社更生を余儀なくされ、45億円で売却されたそうです。
 「何で、こんなとこに、こんなものつくったんや」という印象です。

 医療や福祉などの公共サービスの低下はやむを得ないでしょう。
 それにしても、自治体名の命名権の売却とは・・
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