2012年バックナンバー
市の名前売ります
泉佐野市といっても「ぴん」と来ない人もあるでしょうが、大阪府の南の方、関西国際空港の向かい側にある市といえばわかりやすいですね。
ちなみに、市の名称変更は、大阪府知事の同意と市議会過半数の賛成で可能だそうですが、自治体名の命名権が売却されるケースは総務省でも「聞いたことがない」(市町村体制整備課)ということです。
愛知県豊田市や奈良県天理市など、名称の変更はありますが、命名権の売却ではありません。
市の命名権の売却の理由は簡単。財政破綻です。
平成21年度には「早期健全化団体」に指定されています。
夕張市のように、国の管理下に置かれる「財政再生団体」の一歩手前で、市は今後、財政健全化計画の策定を義務づけられています。
泉佐野市は、平成6年の関西国際空港開港前後に、関西国際空港により経済効果が期待できると見込んで「大投資」をしました。
大阪府は、関西国際空港と連絡橋で結ばれる海岸を「りんくうタウン」と名付けて埋立て、民間に分譲する計画を立てました。
時代はバブル経済、大企業が土地確保に動きました。
計画通り進めば、高層ビル群がそびえ立つ国際都市が誕生するはずでした。
泉佐野市は、市立病院建替え、市民ホール建設、宅地造成、下水道整備などを進めましたが、企業誘致が全く進みませんでした。
「りんくうゲートタワービル」という超高層ビルがあります。別名「バブルの塔」、 横浜ランドマークタワーにつぎ日本で2番目の高さです。
総工費は約660億円で、「インテリジェントオフィス」(賃貸事務所)・同時通訳設備を持った「国際会議場」や「ホテル」などで構成されています。
大阪府の第三セクターの運営会社が赤字で会社更生を余儀なくされ、45億円で売却されたそうです。
「何で、こんなとこに、こんなものつくったんや」という印象です。
それにしても、自治体名の命名権の売却とは・・