2012年バックナンバー
奨学金の滞納
大阪地方裁判所の民事事件の第1回口頭弁論期日は、10時、10時15分、1時15分に指定されるのが慣例です。
訴状を被告に送達してみないと、被告が認めるが、争ってくるかがわかりません。弁護士がつくかどうかもわかりません。何件も同じ時間に指定されます。
双方に弁護士がつけば、2回目以降は、弁論準備期日が、弁論準備室にて実施されます。
ということで、私が、法廷に出頭するのは、大抵、第1回の口頭弁論期日のみです。
相手が本人(弁護士に委任しない)という事件はあまりありません。
ということで、第1回の口頭弁論期日に、法廷の傍聴人席で順番をまっていると、被告が弁護士に委任しなかった事件を多く見ることになります。
結構、これが役にたちます。裁判官の訴訟指揮を見るいい機会です。
最近、奨学金の返還請求訴訟が目立ちます。
私が存じ上げている弁護士さんが「一手に」引受けているらしく、ちょくちょく、お見かけします。その昔、法律扶助協会の審査委員としてご一緒したことがあります。
支払督促を出し、異議が述べられたため訴訟になっている事例が大半のようです。
日本学生支援機構の奨学金には、無利息の「第1種」と、利息がつく「第2種」があり、平成23年度時点の貸与額は、新規・継続分合計約1兆円にのぼり、奨学金を利用する学生は増える一方だそうです。
延滞額も増続けていて、平成22年度には約850億円にのぼるそうです。
多いと見るか少ないと見るかは「見解」がわかれるところでしょう。
支払える資力があるのに返済しないというのは問題外ですね。
ただ、就職できなかったり、就職先の倒産で生活に困窮する若年層がいるのも間違いないでしょう。
パートやアルバイトで、ぎりぎりの生活をしている人に、返済は難しいかも知れません。
まず「返済猶予」を申出て、支払わずに「一括納付を求める郵便」が届き、「支払督促」「訴訟」となります。
ちなみに、大阪弁護士会のホームページで見ると、前記の弁護士さんの法律事務所の弁護士が4人となっていました。「いつのまにか」「手広くやっている」と思ったのですが、残りの3人は全員64期、昨年末に司法試験に合格している弁護士さんです。
「人がよすぎる」と、何かと「押しつけられる」ようです。