本文へ移動

2012年バックナンバー

近畿に原子力発電をつくるとしたら

 近畿2府5県(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県・三重県)には、原子力発電がありません。
 北海道、東北、関東、中部、中国、四国、九州には、最低でも1基の原子力発電があります。

 関西電力の原子力発電は、福井県に集中しています。
 近畿地方の住民は「利己主義」なのでしょうか。それとも「郷土愛に燃えた」人たちなのでしょうか。

 これから、日本全国、新規の原子力発電の立地ということはありえません。

 歴史に「if」はありませんが、福井県に頼らず、自前で原子力発電を立地するならどこが良かったのでしょう。

 海のない奈良県と滋賀県は、日本の原子力のタイプからして立地不能です。

 大阪府は瀬戸内海に面し、京都府は日本海に面し、兵庫県は瀬戸内海と日本海に面し、和歌山県は瀬戸内海と太平洋に面し、三重県は太平洋に面しています。
 理論上は、どこに立地しても問題ではありません。

 原子力発電が、福島第1原子力発電所のように、地震や津波で大事故になる危険性ということからすると、東南海地震、南海地震など、マグニチュード8クラスの地震がいつきても不思議でなく、過去、津波による大災害を受けている和歌山県と三重県が一番危険です。
 浜岡原子力発電所と同じことで、和歌山県と三重県に原子力発電が立地されていたとすると、定期点検で停止したら再稼働はあり得ないでしょう。
 ただ、過去に、関西電力が和歌山県に、中部電力が三重県に原子力発電所の立地をしようと試みたことがあるのは事実です。
 和歌山県民と三重県民は「賢明」でした。

 原子力発電事故が生じたとき、影響が大きいという観点からすると、大阪府と兵庫県の瀬戸内海側が一番危険ということになります。
 和歌山県と三重県ほど原子力発電事故発生の確率は高くないのですが、大阪府と兵庫県の瀬戸内海側は人口密集地域で、ひとたび原子力発電事故が発生すると人口が多すぎて、原子力発電事故による損害は膨大になります。 
 関西電力が、過去に、大阪府と兵庫県の瀬戸内海側に原子力発電を立地しようとしたことはないようです。

 京都府と兵庫県の日本海側は、福井県と同じで、大地震発生の確率は、和歌山県と三重県ほど高くありません。
 また、人口希薄地域ですから、大阪府と兵庫県の瀬戸内海側のように、ひとたび原子力発電事故が発生すると人口が多すぎて、原子力発電事故による損害は膨大になるということはありません。
 ある意味、近畿地方に限れば「最もまし」な「ロケーション」です。
 関西電力が、過去に、京都府と兵庫県の日本海側に原子力発電所の立地をしようと試みたことがあるのは事実です。
 京都府民と兵庫県民は「賢明」でした。

 もっとも、原子力発電事故による影響は、県境など関係ありません。
 福井県原子力発電事故が発生すると、福井県はもちろん、滋賀県と京都府が、真っ先に打撃を受けることになります。
 また、琵琶湖がやられれば、近畿のほとんどの人が大きな打撃を受けしまいます。

 どうしても、近畿に原子力発電を立地しなければならないとしたら。
 兵庫県の日本海側、琵琶湖から遠い鳥取県側が「一番まし」ということになりますが、現在、兵庫県民の私としては大反対です。
TOPへ戻る