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2012年バックナンバー

委託年金の消失

企業年金運用会社のAIJ投資顧問に、企業等から運用を委託されていた約2000億円の年金資金の大半が消失していることが分かり、金融庁は同社に業務停止命令を出しました。

 平成23年12月時点の委託金を残高順にソートすると、以下のとおりだそうです。単位は億円です。
1 富士電機 97.6  
2 愛知県トラック事業 89.3  
3 SCSK 69.2  
4 長野県建設業 66.9  
5 日本ユニシス 55.6  
6 神奈川県印刷工業 54.5  
7 東京都石油業 53.1  
8 栃木県建設業 53.1  
9 日本リネンサプライ業・介護事業 52.0  
10 福岡県・佐賀県トラック 51.3  
11 民間放送 49.5  
12 愛鉄連 46.7  
13 東部ゴム 45.7  
14 栃木県石油業 41.8  
15 北海道石油業 40.2  
16 甲信越印刷工業 40.0  
17 東日本紙器 40.0  
18 北信越管工事業 39.9  
19 東京空調衛生工事業 39.2  
20 全国卸商業団地 38.7  
21 茨城県建設業 36.7  
22 長野県病院 36.6  
23 岐阜県石油業 36.2  
24 全九州電気工事業 32.1  
25 関東百貨店小売業 31.6  
26 三重県石油業 30.2  
27 全国光学工業 30.0  
28 神奈川県石油業 25.9  
29 埼玉県トラック 25.6  
30 北関東自動車整備 23.3  
31 北海道トラック 22.4  
32 静岡県西部機械工業 21.9  
33 全国商品取引業 21.4  
34 長野山梨石油 20.9  
35 愛知県石油 19.8  
36 京都府建設業 19.1  
37 コスモ石油 18.3  
38 ライオン 17.8  
39 北海道電気工事業 17.6  
40 アドバンテスト 17.1  
41 長野県卸売業団地 16.1  
42 全国宅地建物取引業 15.8  
43 兵庫ゴム工業 15.6  
44 中部電気工業 15.1  
45 北海道乗用自動車 14.9  
46 千葉県管工事業 14.8  
47 静岡県中部機械工業 14.3  
48 埼玉県自動車販売整備 14.1  
49 神奈川県情報サービス産業 12.5  
50 福岡県食品産業 12.2  
51 日本文具事務機器 12.2  
52 埼玉県医師会 11.9  
53 新潟県機械金属工業 11.8  
54 メルコ連協 11.6  
55 名古屋乗用自動車 11.5  
56 岐阜繊維卸売業 11.5  
57 全国楽器 11.3  
58 関東六県電気工事業 11.1  
59 全日本シティホテル 11.0  
60 京都府トラック事業 10.8  
61 長野県機械工業 10.6  
62 ホンダ販売 10.5  
63 鬼怒川ゴム 10.4  
64 長野県食品 10.1  
65 富山県中小企業団地 10.1  
66 大日本印刷 10.0  
67 日本造船・関連工業 9.9  
68 中日本段ボール 9.1  
69 栃木トヨペットグループ 9.1  
70 岐阜県木材 9.0  
71 埼玉県管工事業 8.7  
72 神奈川県電設 8.5  
73 石川県病院 6.7  
74 南九州コカ・コーラグループ 6.1  
75 横浜金沢 5.9  
76 近畿印刷工業 5.9  
77 富山県機電工業 5.9  
78 松蔭女子学院 5.2  
79 京都織物卸商 5.0  
80 安川電機 4.9  
81 全国産業廃棄物 4.9  
82 日本鉄リサイクル工業 4.8  
83 京滋管工事業 4.8  
84 福井県機械金属工業 4.2  
85 富山県病院 4.2  
86 徳島県トラック 4.2  
87 仙台卸商 3.5  
88 ヒューマンアカデミー 3.3  
89 福井県トラック 3.3  
90 外国運輸金融 3.2  
91 アイ 3.0  
92 長崎県トラック 2.0  
93 岩手県自動車販売 2.0  
94 兵庫印刷工業 1.9 

 自転車操業だったようです。

 もしかしたら、この中に、元金とともに高利の配当を受取って「売逃げ」した「賢い」団体があるかも知れません。

 「危険だとわかっていた」かのように「後講釈」をたれる人もいますが、元金とともに高利の配当を受取って「売逃げ」した人以外の言うことに説得力があるかどうかは「?」です。

 この手のニュースを聞くと、自分が掛金などをかけている年金や共済の運用に心配が生じます。

 「小規模共済資金に係る運用受託機関について」によれば、「AIJ投資顧問」とは関係がないようです。
 小規模共済は(自営業者の、いわば「退職金」積立てで、全額所得控除されます)、「AIJ投資顧問」とは関係ないと「強調しているところ」がすごいですね。

 「国民年金基金連合会の積立金運用」によれば、私は、弁護士国民年金基金に加入しているのですが、民間受託運用機関に運用している部分があるようです。
 「AIJ投資顧問」には委託していません。

 また、「国民年金基金の財政」をみると、「資産金」から「責任準備金」を引いた「不足額」が1兆2983億円にのぼっているのがすごいですね。
 責任準備金の額からして、私の世代が、減額されたり受取りできなくなったりはなさそうです。

 ちなみに、国民年金基金(自営業者の、いわば「年金」積立てで、全額所得控除されます)には、インフレに弱いという致命的弱点があります。
 私が、国民年金をかけはじめたころから20年、インフレがなかったということが、私たち世代には幸いしています。

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