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2012年バックナンバー

国家公務員の定年の延長

政府は、平成24年2月28日、国家公務員の定年について、現行の60歳から65歳への延長を見送る方針を固めました。

 ちなみに、人事院の意見は「人事院・定年を段階的に65歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出のポイント」をご覧下さい。

 定年延長の代わりに、60歳で一度退職した人を現役時代より安い給与で雇入れる「再任用制度」を拡充し、65歳まで継続して働ける人を増やすという方策です。
 高い給与水準が維持される定年延長では、総人件費の膨張が避けられないためですね。

  政府は、公務員らが加入する共済年金の支給開始年齢について、平成25年度から65歳に段階的に引き上げられるのに合わせ、同年度からの再任用拡充を目指すということです。
 国家公務員の定年は原則60歳ですが、共済年金の支給開始年齢は平成37年度までに全員65歳になることが決まっていて、60歳以降、5年間の公務員の就労と収入確保が課題となっていました。

 ちなみに、裁判官の定年は65歳です。最高裁長官・判事と簡易裁判所判事の定年は70歳とされています。
 検察官の定年は63歳です。検事総長の定年は65歳とされています。
 裁判官は、全く問題なし、検察官も「2年間の就労と収入確保」ということをいう人はいません。

 なお、公務員の勤務先に「ライバル企業」はありません。
 競争に敗北して「倒産」ということもありません。
 税金で65歳まで雇用しても「問題がない」かにみえます。
 それでも延長はしません。

 民間企業には「ライバル企業」があります。電力会社などを除けばの話です。
 競争に敗北して「倒産」します。
 民間企業では、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律において、以下のとおり定めています。
「9条 定年(65歳未満のものに限る)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。
一  当該定年の引上げ
二  継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう)の導入
三  当該定年の定めの廃止」
 会社によっては、ライバル企業との競争に負けないため、上記規定について、遵守しないということもやむを得ないということもあるでしょう。
 もとより「努力目標」にすぎず、私法上の拘束力はありません。

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