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2012年バックナンバー

関西電力の火力・水力発電

 平成24年2月20日深夜、関西電力の全11基ある原子力発電所が、すべて稼働を停止しました。

 今夏の関西の電力事情について、関西電力は、今夏の猛暑時に、供給力2353万kWに対し、最大で785万kW(約25%)の電力不足、昨夏並みの暑さで251万kW(9%)の電力不足と試算しているそうです。
 ちなみに、平成24年3月19日の「電気予報」には、供給力2507万kWとなっています。発表と「電気予報」との間の計算が合いませんね。

 現在、関西電力が、手当を予定しているのは、60万kWです。
この夏の電気供給力は「電気予報」が正しいとすると2567万kWになります。

 60万kWの内訳は、長期休止中の「海南発電所」2号機(出力45万kW)を再稼働させ、「姫路第1発電所」に小型ガスタービン2基(計約6.5万kW)を新設するという計画、また、姫路第1発電所や「堺港発電所」の既存ガスタービン6基に吸気冷却装置を取り付け、出力をそれぞれ約10万kW、合計20万kW増やすという計画です。
 焼け石に水ですね。

 大阪府泉南郡岬町は、平成24年2月22日、関西電力に対して長期停止中の多奈川第2火力発電所(2基で出力計120万kW)の再稼働を求める要望書を提出しました。
多奈川第2火力発電所は重油・原油が燃料で、コスト面などから平成17年2月に運転停止しています。
 関西電力は、仮に再稼働する場合も設備改修で「数年」かかると主張しているそうです。もちろん、そんなはずはないでしょうし、本当なら、去年に再開の着手をしているでしょう。
 最初から、再開する気はなさそうです。

 宮津エネルギー研究所も、長期計画停電中の発電所があります。
 石油火力発電所で「不況による電力需要の伸悩みなどにより長期計画停止」、定格出力37.5万kW×2、運転再開すれば、75万kW上積みできます。
これも、再開する気はなさそうです。

 関西電力が、発電所計画土地を購入しているところもあります。
 和歌山市と海南市の沖、住友金属工業和歌山製鉄所用の約176ヘクタールの埋立地に、LNG火力発電所(計画:出力370万kW)の建設等が計画されていました。
 数度にわたる運転開始時期延期により未だ着工されていません。
 和歌山県の仁坂知事は、平成23年12月8日の県議会において、「電力の安定供給には欠かせない施設になると大いに期待している」と述べ、関西電力に速やかに着工するよう強く働きかける意向を示しました。
 新規着工ですから、何年もかかるはずはありません。

 関西電力が、その気になりさえすれば、75万kW+120万kW+370万kW=565万kWの火力発電所の運転ができそうですね。

 関西電力は、その気になりさえすれば、節電や他の電力会社からの購入で、今年の夏には間に合わないでしょうが、来年や再来年には、猛暑期・厳寒期においてすら、原子力発電所がなくとも需要に見合う供給能力はつくれそうです。

 ちなみに、関西電力は、「原子力の再稼働に全力を挙げる」という立場を掲げています。
 原子力発電は再稼働したい、再稼働することを前提として、新規投資はしない、再稼働できなかった場合は、その時、計画停電でもすればいいという考えでしょう。

 大飯発電所で想定される地震の強さは700ガル、津波の高さは1.66mから1.86m、3号機は平成3年、4号機は平成5年と比較的新しい原子力発電機です。
 1号機、2号機は、双方とも昭和54年建造、33年経過しています。

 「地元」(この定義が問題です)の同意が得られれば、原子力発電再開と言うことになるでしょうね。

 滋賀・京都は「もろ」に被害を受けますし、20キロ圏に琵琶湖があります。大阪は琵琶湖の水がなければ「おしまい」、兵庫も一部50キロ圏の位置にありますし、一部淀川水系から水道を引いています。

 風向きにもよりますが、淀川に全く頼っていない和歌山か奈良なら、比較的安全かも知れません。
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