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2012年バックナンバー

弁護士殺害事件の末路

昨年、一昨年と、弁護士が、訴訟や調停の相手方に刺殺される事件が相次ぎました。

 横浜の弁護士殺害事件は、平成22年6月2日に発生しています。

平成22年6月2日、駆けつけた神奈川県警加賀町署員が、法律事務所に所属する前野義広弁護士(当時・42歳)をみつけました。
死因は右脇動脈など2ヶ所を刺されたことによる失血死と判明しました。
公開手配された男が加賀町署に出頭してきました。公開手配されていますから、自首ではありません。

 犯行の動機は、離婚訴訟の金銭めぐるトラブルでした。
 犯行態様は、馬乗りになって襲うという態様でした。
 犯行の計画性は、現場に大型サバイバルナイフと長い刃物を持ち、手袋を着用していました。

 被告人は、横浜地方裁判所の裁判員裁判にて、検察側は「法治国家で絶対に許されない犯行だ」と述べ、無期懲役を求刑し、求刑通り無期懲役判決が言渡され、東京高等裁判所は控訴を棄却し、最高裁判所は上告を棄却しました。


 秋田の弁護士殺害は、平成22年11月4日、秋田市の津谷裕貴弁護士(当時・55歳)が殺害された事件です。

 犯行の動機は、離婚後の財産分与で元妻側についた弁護士に対する憎しみです。
 犯行態様は、胸などを突き刺して殺害したという態様でした。
 犯行の計画性は、津谷さん宅に刈り込みばさみや拳銃などを持って侵入しています。

 被告人は、秋田地方裁判所の裁判員裁判にて、検察側は無期懲役を求刑し、判決は懲役30年でした。「法治国家を揺るがすような挑戦とはいえない」と情状酌量しました。
 検察官から控訴はなく、被告人から控訴がなされています。

 いずれにせよ、卑劣な犯罪です。

 弁護士も「命がけ」ですね。

 ちなみに、前の事件は、弁護士登録さほどたっていない(登録後3年未満)のに「42歳」という珍しい事例、後の事件は、日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会の委員長としてご活躍されていた働きざかりの弁護士ということで、それぞれ話題になりました。
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