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2012年バックナンバー

がれき処理

 大規模地震による「がれき」は、一度に大量に発生するという特長があり、阪神・淡路大震災時には、実に2000万トンという量が発生しています。
 ただ、厳密にいうと全部ではありませんが、概ね1年弱で処理できました。

 東日本震災のがれきは宮城、岩手、福島の3県で計約2300万トン発生したと推計されています。
 量は、似たり寄ったりです。

 本来なら、東日本大震災から1年経過しようとしていますから、宮城、岩手、福島の3県の「がれき」が処理されても不思議ではありません。


 阪神・淡路大震災時のときは「放射能」という問題はありませんでした。
 近畿地方に原子力発電所はありません。

 宮城県、岩手県、福島県の「がれき」には、多少なりとも「放射線物質」が含まれています。

 環境省は震災直後の4月、被災地以外の自治体に受け入れ可能か照会したところ、572市町村から可能とする回答を得ていたが、放射能汚染の不安が高まると、前言を翻す自治体が続出しています。

 放射性物質が、安全か否かについては、「国」が全く信用されていません。
 いくら「国」が安全だと言っても、いったん失った信頼は取り戻せません。

 東京都のように、都知事が再選されることを期待していない自治体なら、選挙民のことを考える必要はありません。
 どんどん「がれき」を受入れ、淡々と処理していけば足ります。

 しかし、一般に、首長は、再選されることを期待しています。
首長は、再選されることを期待しているなら「強引に」「がれき」を受入れるわけにはいきません。
 「強引に」「がれき」を受入れた首長は、次の選挙が危ういです。
 それなら、「がれき」を受入れないという選択肢が選ばれます。
 一向に進みませんね。

 まして、安全な放射線量が「どれくらい」なのかわからなければ、がれきを受け入れるという選択肢はありません。

 これが民主主義(首長は選挙で選ばれます)であり、地方自治です。
 民主主義は「選挙」につきます。

 宮城県、岩手県、福島県の焼却能力を増強するというのが無理なのなら、国の法律で、各地方自治体に、がれき処理を義務づけるしかないでしょう。
 それなら、首長も、自分の次の選挙を気にする必要はなくなります。

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