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2012年バックナンバー

郵便法と偽計業務妨害

平成24年2月15日、郵便事業会社の「ゆうパック」の小包276個を配達せずに自宅に放置したとして、京都府警下鴨署が無職容疑者を偽計業務妨害罪の容疑で逮捕しました。
 容疑者は、配達業務を請負う運送会社の元従業員で、「配達が面倒だった」と容疑を認めているようです。

 逮捕容疑は、小包を自宅に放置しているのに、勤務先に配達が完了したと虚偽の報告をし、業務を妨害とのものです。小包は金融機関から顧客へのギフトで、スプーンとフォークのセットやバスマットなどで、鈴木容疑者は配達伝票に自分で受け取りのサインをしていたようです。

 刑法233条には、以下の定めがあります。
「 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」


 真っ先に思うのは、なぜ「郵便法違反ではないのか」ということですね。

 郵便法79条1項には、以下の定めがあります。
「 郵便の業務に従事する者が殊更に郵便の取扱いをせず、又はこれを遅延させたときは、これを1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」

 手紙や葉書の「信書」で同じことをすると、郵便法違反で逮捕・起訴されるようです。

 「信書」なら、郵便法違反で「1年以下の懲役又は30万円以下の罰金」、「信書」以外なら、偽計業務妨害罪で「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」というのは、バランスを欠いているように思いますが、いかがでしょう。
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